Black Cat Bones

Black Cat Bones 活動期間1966-1970
 Decca Novaにレアで有名なアルバム1枚を残すブルース・ロック・バンド。

 1966年、ギタリストのDerek BrooksとベーシストStuart BrooksのBrooks兄弟を中心に結成。メンバーチェンジを経て1969年にリリースした唯一のアルバム「Bared Wire Sandwich」は当時セールス的には振るわなかったものの、インパクト抜群のジャケット・デザインとクオリティの高さ、レア度と3拍子揃った名作として後年評価を高め、コレクター・アイテムとなった。

 アルバム・リリース後まもなくBrooks兄弟はBrunning Sunflower Blues BandにいたシンガーPeter FrenchやギターのMick Hallsらを加えてグループをLeaf Houndに発展させている。

Black Cat Bones 初期メンバーにFreeを結成するPaul KossoffSimon Kirkeが在籍していたことでも知られるほか、アルバム・リリース時のギタリストRod PriceSavoy Brownのメンバーと1970年にFoghatを結成して大きな成功を収めている。同グループと同じへヴィ・ブルース・ロック・バンドAshkanを結成するBob WestonとTerry SimsやPink Fairiesの母体となったShagratを結成するドラマーPhil Lenoirも籍を置いた。


<albums>
Bared Wire Sandwich (Decca Nova SDN15) 1969/11

Comes Aboard! QE2/V.A. (Sceptle SALR1216) 1969
 ※豪華客船クィーン・エリザベスII号の記録資料用レコード。4組のアーティストの演奏を収録。うち1組がBlack Cat Bonesの演奏

Paul’s Blues (Sunbeam SBR2CD5058) 2008 ※1967年の未発表音源

【メンバー変遷】
#1 (1966-1966.7)
Paul Martin (Paul Tiller) :vo/harp
Paul Kossoff:g
Derek Brooks:g
Stuart Brooks:b
Terry Sims:ds

 Eric Claptonを擁したBluesbreakersのセカンド・アルバムがリリースされ、英国にブルース・ブームが到来した1966年ロンドンで結成。主にパブ・サーキットで活動する。Kossoffにとって初めての本格的なプロのグループとなった。
 ※オリジナル・ドラマーはTerry Simsとする資料があるがちょっと疑問。Black Sabbathの前身バンドにあたるカンブリアのバンドMythologyにも同名のドラマーが在籍するが、同一人物かどうか?


#2(1966.7-1968.2)
Paul Tiller:vo/harp
Paul Kossoff:g
Derek Brooks:g
Stuart Brooks:b
Frank Perry:ds

 ドラマーがFrank Perryにチェンジ。このラインナップによる未発表音源が2008年にPerryによってリリースされた。Paul Rodgersがゲスト参加したテイクも含まれており、この共演がFree結成への布石になったようだ。


#3 (1968.2-4)
Paul Tiller:vo/harp
Paul Kossoff:g
Derek Brooks:g
Stuart Brooks:b
Simon Kirke:ds

 ドラマーにSimon Kirkeが加わるが、数ヵ月後にはKossoffとともに独立してFreeを結成する。この時期、Stuart BrooksとKossoff、Kirkeの3人がChampion Jack Dupreeの英国ツアーのバックを務めたほか、4月にはアルバムのレコーディングに参加。


#4 (1968.4-12)
Paul Tiller:vo/harp
Derek Brooks:g
Stuart Brooks:b
Bob Weston:g
Terry Sims:ds

 Kossoffの後任にフランスを拠点に活動していたThe Kineticというバンドに在籍していたBob Weston、ドラマーにはTerry Simsが復帰。しかし、1968年末にはBrooks兄弟を残して3人のメンバーが離脱している。シンガーのTillerは1970年代にDownliners Sectに加入。WestonとSimsはAshkanを結成。


#5 (1968.12-1970)
Derek Brooks:g
Stuart Brooks:b
Rod Price:g
Brian Short:vo
Phil Lenoir:ds

 元Sharkey Vick’s Big City Blues BandのギタリストRod PriceやシンガーのBrian Short、ドラマーPhil Lenoirを加えてバンドを再編成。ついにアルバムのレコーディング契約を勝ち取り、Decca傘下のプログレッシヴ・レーベルNovaからアルバムをリリースする。しかし、商業的な成功には縁遠く、再びBrooks兄弟以外の3人のメンバーが離脱している。PriceはSavoy Brownのメンバーに誘われてFoghatを結成。Brian Shortはソロへ、Phil LenoirはShagratに。


#6 (1970)
Derek Brooks:g
Stuart Brooks:b
Peter French:vo
Mick Halls:g
Keith George Young:ds

 Brunning Sunflower Blues Bandから移籍したPeter French、Mick Hallsらを加えて再び体制を立て直す。このメンバーでバンド名をLeaf Houndに改名した。このほか、後にCross & Rossを結成するギタリストのPeter Rossが同バンド出身とする資料もあるが…