活動期間1968-1972.4
Mickey Jupp率いるパブ・ロックの源流の1つに当たるグループ。R&Bやブルースなどを基本としたシンプルなスタイルのロックは後進のパブ・ロック・アーティストらに大きな影響を与えた。
1960年代半ば、The Oriolesを組んでサウスエンドを拠点に活動していたMickey Juppが級友だったギタリストのChris Eastらと1968年に結成。米国のレーベルBellと英国アーティストとしては最初の契約を得て翌年シングル「National Gas」とセルフ・タイトルのアルバムでデビューを果たす。アルバムはアコースティックな楽曲が並ぶ良作となったが、セールス的には振るわず、さらにツアーが組めないなどレーベル側の協力が得られずにリリース後にバンドは空中分解を余儀なくされる。
Juppはバンドの再建に着手。サウスエンド時代からの友人でProcol HarumのギタリストRobin Trowerの紹介でベーシストDavid Knightsの設立したプロダクションに移り、The Orioles時代の仲間でThe Fingersを経たMo Witham、John Bobin、さらにドラマーにBill Fifieldを加える。同年秋のBellからのセカンド・シングルはバンド再建過渡期の録音だったこともあり、WithamほかProcol Harumのメンバーがレコーディングに協力し、プロデュースはTrowerが担当している。
新たにVertigoと契約。1970年初頭には通称「Red Boot」と言われるファーストと同じセルフ・タイトルのセカンド・アルバムをTony Viscontiのプロデュースでリリースする。1971年半ばにはドラマーがBob Clouterに交代(これで全メンバーがThe Orioles出身者に)し、サード・アルバム「Moonshine」を発表。Vertigo時代の2枚のアルバムも後のパブロック・ブームを先取りするような良作となったが、セールス的には振るわず、内容の良さとも相まってからBellのファーストと合わせて3枚いずれもコレクターズ・アイテムとなっている。
Juppは解散後、サウスエンドに帰郷。同じエセックス州出身でパブ・ロック・ブームのけん引役となったDr. Feelgoodが彼の楽曲を取り上げるとともにリスペクトを公言、こうした機運を契機に再評価が高まる1977年にStiffと契約、翌年にはソロ・アルバムを制作して復活を果たす。
<albums>
Legend (Bell MBLL115) 1969/3
Legend (Vertigo 6360 019) 1970/1 ※”Red Boot” album
Moonshine (Vertigo 6360 063) 1972/1
Never Too Old To Rock (private pressing) 2008
A Living Legend – Legend Live At The Riga (private pressing) 2012 ※2012/3再編ライブ
David (private pressing) 2013? ※未発表音源
Mickey Jupp’s Legend (Stiff GET2) 1978/5 ※シングル曲含むコンピレーション
<singles>
National Gas/Heather On The Hill (Bell BLL1048) 1969/2
Georgia George Part 1/July (Bell BLL1082) 1969/10
Life/Late Last Night (Vertigo 6059 021) 1970/11
Don’t You Never/Someday (Vertigo 6059 036) 1971/3
【メンバー変遷】
#1 (1968-1969.mid)
Mickey Jupp:vo/p/g (ex-The Orioles、Jam)
Chris East:g/vo → solo
Steve Geere:b/vo
Nigel Dunbar:ds
#2 (1969.mid-1971.5)
Mickey Jupp:vo/g/p
Mo Witham:g/vo (ex-The Orioles、The Fingers)
John Bobin:b/vo (ex-The Orioles、The Fingers)
Bill Fifield:ds → T.Rex (Bill Legendに改名)
#3 (1971.5-1972)
Mickey Jupp:vo/g/p
Mo Witham:g/vo
John Bobin:b/vo → Mickey Jupp Band
Bob Clouter:ds (ex-The Orioles、The Fingers) → Mickey Jupp Band
#4 (1972.early-1972.4)
Mickey Jupp:vo/g/p → solo
Mo Witham:g/vo → session
Phil Mitchell:b → Mickey Jupp Band、Dr. Feelgood
Barney James:ds → Warhorse、Rick Wakeman & The English Rock Ensemble
#5 (2012.3) 再編ライブ
Mickey Jupp:vo/g/p
Mo Witham:g
John Bobin:b
Bob Clouter:ds