Viv Prince

Prince,Viv drums
 1941年8月9日生まれ。レスターシャー州ラフボロー出身。本名Vivian St. John Prince。The Pretty Thingsのオリジナル・ドラマー。数々の奇行でも有名で「破天荒ミュージシャン」の元祖として語られることが多い。

 The Dauphin Six Street Trad Jazz Bandを経て、1963年に名セッション・ドラマーBobby Grahamの後任としてCarter-Lewis & The Southernersに加入。若き日のJimmy Pageとも演奏している。
 
 1963年末、The Pretty Thingsの正式なメジャー・デビューに当たり、流動的だったドラマーの座に付く。翌年6月にシングル「Rosalyn」でメジャー・デビュー。ワイルドな演奏とともにPrinceの派手なステージ・アクションが評判を呼び、シングル・ヒットも放ち人気のR&Bバンドとなる。

 しかし、無断でギグに現れなくなったり、ドラッグやアルコールの影響か来てもまともに演奏できない状態となるなど問題行動が目立ち始め、活動にも支障を来たすようになる。これを重くみたバンド側から1965年11月に正式にグループを解雇される。セカンド・アルバムでは2曲のみの参加にとどまり、奇しくもその代役を務めたのは同作のプロデューサーでThe Southernersでの前任ドラマーのBobby Grahamだった。

 数々の奇行が伝えられ、The Beatles以降のロック・ミュージシャンで最初に麻薬で逮捕されるという記録(?)を持っているほか、ツアー中の喧嘩沙汰、ステージセットへの放火、ニュージーランドでは空港で騒ぎを起こして国外退去を命じられるなどしてグループをトラブルに巻き込んだ。

 The Pretty Things脱退後の1965年12月には唯一のソロ・シングルをリリース。同時期にはThe Honeycombsの代役ドラマーも兼任している。その後は数々の短命グループを渡り歩き、自ら結成したThe Bunch Of Fivesや、Mike PattoTim Hinkleyらとのブルース・グループChicago Line Blues Bandで活動。1966年には同じく奇人ドラマーとして知られるKeith Moon(MoonはPrinceの行動に影響を受けていたとも言われている)の代役でThe Whoのステージにも立った。

 1967年初頭にはJeff Beck Groupに加わるが、最初のリハーサルのみで離脱し、続くDenny Laine’s Electric String Bandも数回のギグで脱退した。1968年にはSam Gopal Dreamのサポート・ドラマーとして活動し、同グループのメンバーと新バンドVampを結成するもシングルのみを残してまもなく解散。その後、活動休止中だったKateに加入し復活シングルに参加するも、まもなく解散した。Kateでの活動を最後に音楽業界を離れており、後にポルトガルに移住してブリーダーとなった。


【参加アルバム】
<group>
・The Pretty Things
The Pretty Things (Fontana TL5239) 1965/3
Get The Picture (Fontana TL5280) 1965/12

<solo single>
Light Of The Change Bridge/Minuet For Ringo (Columbia DB7960) 1965/12

<session>
McGough & McGear/McGough & McGear (Parlophone PCS7047) 1968
Think Pink/Twink (Polydor 2343 032) 1970


【参加グループ】
The Dauphin Six Street Trad Jazz Band
Carter-Lewis & The Southerners (1963.6-11)
The Pretty Things (1963.12-1965.11)
The Honeycombs (1965.11-1966.early) ※代役参加
The Bunch Of Fives (1966.mid)
Chicago Line Blues Band/Patto’s People (1966.mid-autumn)
Jeff Beck Group (1967.1)
Denny Laine’s Electric String Band (1967)
Sam Gopal Dream (1968.mid) ※ギグサポート
Vamp (1968)
Kate (1968.late-1969)