Killing Floor

Killing Floor 活動期間1968.5-1972.6
 南ロンドン出身のブルース・ロック・バンド。SparkとPenny Farthingに残した2枚のアルバムはハード・ロックにも通じる良作ながらセールス的に振るわず、レアなコレクター・アイテムとして知られる。

 南ロンドンを拠点にブルース・バンドで活動していたギタリストのMick ClarkeとシンガーのBill Thorndycraftが出会い、新たなバンド結成を構想。メロディ・メーカー誌のメンバー募集などを経てリズムセクションにStuart McDonaldとBazz Smith、キーボードにLou Martinを加えて1968年に結成、5月にミドル・アースでデビューを飾る。バンド名はThorndycraftの発案でHowlin’ Wolfの同名曲から採用。

 1969年にはFreddie Kingの英国ツアーのバックを務めるなどして精力的に演奏活動を継続、同年ブルース系レーベルSparkからデビュー・アルバムをリリースする。MartinとStuartが別プロジェクトのために離脱するが、まもなくMcDonaldが復帰し、その後も4人編成で活動を継続。

 1970年にはPenny Farthingに移りセカンド・アルバム「Out Of Uranus」をリリース。ハード・ロックにも通じる音楽性に進化をみせ、西ドイツ、フランスなどヨーロッパ中心に演奏活動を展開したが、商業的な成功を収めるには至らなかった。

 1971年にはLou Martinが復帰するが、フロントマンのThorndycraftが脱退。元Juicy Lucyのシンガー/ギタリストのRay Owenを迎えるなどメンバーチェンジが頻繁になり、1972年にはClarke以外のメンバーが一新されるも同年半ばで活動を停止。その後バンドはCliff Bennettのバック・バンドToe Fatとして活動した。

 Lou MartinとRod De’AthRory Gallagher Bandに加入。オリジナル・ドラマーのBazz Smithは1970年代後半にニューウェーブのFamily Fodderで活動した。Clarke、McDonald、Martin、De’Athの4人は1970年代後半、Ramrodで再び顔を合わせている。

 2000年代に入り、オリジナル・メンバーで再結成を果たし、2004年には三十数年ぶりの新作を発表。積極的なライブ活動を展開し長く活動を続けた。


<albums>
Killing Floor (Spark SRLP102) 1969
Out Of Uranus (Penny Farthing PELS511) 1970

Zero Tolerance (Appaloosa AP144) 2004
Rock’n’ Roll Gone Mad (Rockfold RF012) 2012/5

<singles>
Wow Wow Wow/Come Home Baby (Spark 14 374AT) 1969/7 ※Germany
Call For The Politicians/Acid Bean (Penny Farthing PEN745) 1970/10

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【在籍メンバー】
Bill Thorndycraft : vocals/harmonica (1968.5-1971)
Mick Clarke : guitars (1968.5-1972.6)
Stuart McDonald : bass (1968.5-1969.mid/1970-1971.mid)
Lou Martin : keyboards (1968.5-1969.mid/1971-1971.late)
Bazz Smith : drums (1968.5-1971.mid)
Jon Taylor : bass (1969.mid)
Paul Turner : bass (1969.late)
Stan Dekker : bass (1971-1971.late)
Rod De’Ath : drums (1971-1971.late)
Ray Owen : vocals (1971.late)
Mick Hawksworth : bass/vocals (1972.1-6)
Tony Fernandez : drums (1971.1-6)
Lynton Naiff : keyboards/vocals (1971.1-6)
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【メンバー変遷】
#1 (1968.5-1969.mid)
Bill Thorndycraft:vo/harp
Mick Clarke:g
Stuart McDonald:b
Lou Martin:key
Bazz Smith:ds
 Bill ThorndycraftとMick Clarkeを中心に編成。ベースのMcDonaldはセミプロ時代、FreeのドラマーSimon Kirkeとリズムセクションを組んでいた。このオリジナル・ラインナップでデビュー・アルバムを制作。同年5月末からはFreddie Kingとの本国ツアーを敢行する。その後、MartinとMcDonaldが離脱して名司会者Emperor RoskoことMichael Pasternakの弟Jeff PasternakのバンドCrayon Angelsを結成。


#2 (1969.mid-late)
Bill Thorndycraft:vo/harp
Mick Clarke:g
Bazz Smith:ds
Paul Turner:b
※Jon Taylor:b
 離脱したMcDonaldの代役に同じSparksレーベル所属のブルース・ロック・バンドJasperのJon Taylorを加えて4人編成で活動。後にベースはPaul Turnerにスイッチし、Freddie Kingの2度目英国ツアーでバックを務める。


#3 (1969.12?-1971.mid)
Bill Thorndycraft:vo/harp
Mick Clarke:g
Stuart McDonald:b
Bazz Smith:ds
 McDonaldが復帰。Penny Farthingにレーベルを変えて1970年にセカンド・アルバム「Out Of Uranus」をリリース。ハード・ロック色を強めた良作となったが、セールスは不振に終わり、リズム隊が離脱。McDonaldはFreeのPaul RodgersPeaceを結成。ドラマーのBazz Smithは1970年代後半、ニューウェーブのFamily Fodderで成功を収める。


#4 (1971)
Bill Thorndycraft:vo/harp
Mick Clarke:g
Lou Martin:key
Stan Dekker:b
Rod De’Ath:ds
 キーボードにMartinが復帰。ベースにStan Dekker、ドラマーにRod De’athが加わり新布陣に。しかし、今度はオリジナル・メンバーのシンガーThorndycraftがグループを去る。


#5 (1971’s late)
Mick Clarke:g
Lou Martin:key
Stan Dekker:b
Rod De’Ath:ds
Ray Owen:vo
 Thorndycraftの後任に元Juicy Lucyや自身のリーダーグループRay Owen’s Moonなどで活動してきたRay Owenを迎える。しかし、このラインナップでの活動は短期間に終わった模様で、セールス不振やレーベルからの支援もなく経済的にも疲弊したのかClarkeを除くメンバー全員が離脱。MartinとDe’Athは翌年Rory Gallagher Bandに加入した。

#6 (1972.1-6)
Mick Clarke:g
Mick Hawksworth:b/vo
Tony Fernandez:ds
Lynton Naiff:key/vo
 Clarke以外のメンバーが一新。元Fuzzy DuckのベーシストMick Hawksworth、ドラマーには後にStrawbsRick Wakemanの相棒として活躍するTony Fernandez、キーボードに元AffinityのLynton Naiffという布陣となる。しかし、半年ほどで活動を終え、その後はCliff BennettのバンドToe Fatとして活動した。


#再結成(2002- )
Bill Thorndycraft:vo/harp
Mick Clarke:g
Stuart McDonald:b
Lou Martin:key
Bazz Smith:ds
※Chris Sharley:ds
※Dave Lennox:key
 2002年にオリジナル・メンバーでの再結成が実現。2004年には三十数年ぶりのアルバム「Zero Tolerance」を制作した。ドラマーのSmithは2曲のみのアルバム参加で、Mick Clarke Bandのメンバーで元SassafrassのChris Sharleyが担当。また、ギグではMartinの代役として元Blodwyn PigのDave Lennoxが参加した。