Jody Grind

Jody Grind 活動期間1968.11-1970
 後に名セッション・プレイヤーとして活躍するTim Hinkley率いるオルガン・トリオ。Transatlanticにサイケデリック色の濃いデビュー・アルバムとプログレッシヴなジャズ・ロック作となった2ndと志向のやや異なる2枚の名盤を残した。

 1968年、女性シンガーElkie Brooksのバックバンドで顔を合わせたHinkleyとギタリストのIvan Zagni、ドラマーMartyn Harrymanによって結成。当初はNovaを名乗るが、まもなく米ファンキー・ジャズのピアニストHorace Silverの曲名からJody Grindに改名する。

 1969年3月にHarrymanが離脱(後にBrooksやPete Gageの新プロジェクトDadaに参加)。後任にZagniのバンド仲間でBo Street RunnersでHinkleyとも活動していたBarry Wilsonが加入し、デビューアルバム「One Step One」を制作。ベースレスの変則トリオ編成のため、レコーディングにはChicago Line Blues Band時代のHinkleyの同僚で、当時Gageとセッションワークを多数こなしていたLouis Cennamoが呼ばれている。
 
 同年秋にはZagni、Wilsonが脱退(2人は翌年秋にCennamoを加えて新バンドBogomasを結成)。残されたHinkleyは元BluesologyのギタリストBernie HollandとドラマーのPete Gavinをスカウトし、新編成で方向性をジャズロックにシフトしたセカンド「Far Canal」を制作した。この頃のギグや収録ではベーシストのRoger SuttonAlex Dmochowskiらがサポートした。

 レコーディングの終了後にGavinがHeads, Hands & Feetに参加するために離脱。アルバム・リリース後のギグではサポート・メンバーにJohn Woodsらが参加。アマチュア時代にドラマーの経験があったHollandがドラムスを担当してHinkleyと2人でギグをこなすこともあったが、まもなく解散を迎えた。

 Hinkleyはこの後、本格的にセッション・マンへと転じ、様々なセッションやグループで活躍する売れっ子に。Heads, Hand & Featを経たGavinや末期ライブをサポートしたWoodsとともにBrooks、Gageが率いた人気バンドVonegar Joeのサポートとしても活動している。


<albums>
One Step One (Transatlantic TRA210) 1969
Far Canal (Transatlantic TRA221) 1970/7

<single>
Paint It Black/Little Message (Metronome M25 201) 1970 ※Germany


【メンバー変遷】
#1(1968.11-1969.3)
Tim Hinkley:key
Ivan Zagni:g
Martyn Harryman:ds → Dada

#2(1969.3-11)
Tim Hinkley:key
Ivan Zagni:g → Aynsley Dunbar’s Blue Whale
Barry Wilson:ds
Louis Cennamo:b → Renaissance

#3(1969.12-1970.7)
Tim Hinkley:key
Bernie Holland:g (ex-Nucleus)
Pete Gavin:ds → Heads,Hands & Feet、Sunday
Roger Sutton:b
Alex Dmochowski:b

#4(1970)
Tim Hinkley:key
Bernie Holland:g
※Barry Jenkins:ds (ex- Eric Burdon & The Animals)
※John Woods:ds (ex-Junco Partners) → Vinegar Joe