Gallagher & Lyle

Gallagher & Lyle 活動期間1964-1980/2010-
 スコットランド出身のBenny GallagherGraham Lyleによるフォーク・ロック・デュオ。ルーラルかつ耳心地の良いポップな作風で知られ、大きな商業的な成功を収めた。ソングライティング・コンビとしても活躍し、多くの楽曲を有名アーティストに提供したほか、共にMcGuinness FlintRonnie Lane’s Slim Chanceなど名グループのメンバーとしても活動した。

 1950年代末、地元スコットランド・ラーグスで活動していたローカル・ソウル・グループThe Bluefretsで顔を合わせたGallagherとLyleは、まもなくソングライティング・チームを組んで他アーティストへの楽曲提供をスタートさせる。

 1964年11月、GallagherとThe Bluefrets時代の仲間James Galtの共作曲「Mr Heartbreak’s Here Instead」がDean Ford & The Gaylordsのセカンド・シングルとして採用、さらにPyeからソロでデビューを果たしたGaltの65~66年のシングルに2人の楽曲が選ばれ、ソングライターとして本格的なデビューを果たす。

 同時にシンガーソングライターとしてのキャリアもスタートさせ、1967年にはロンドンに進出。7月にはTony Reevesのプロデュースでデビュー・シングル「Trees」を発表。本作は不発に終わるものの、68年にはPaul McCartneyに認められ、アップルとのソングライティング契約を得て女性シンガーMary Hopkinへの楽曲提供やバックで活動した。

 1969年にはアップル広報のJohn Hewlettのプロデュースで、Van ZwannenburgやGlyn Johnsらの協力でThe Cups名義のシングル「Good As Gold」をPolydorからリリース。同年末にはReevesの紹介で新グループ結成に際してソングライティングに優れたメンバーを探していた元Manfred MannTom McGuinness、元BluesbreakersHughie Flintと合流、新グループMcGuinness Flintを結成する。

 仲間のJohnsをプロデューサーに迎え、70年10月にはGraham作のデビュー・シングル「When I’m Dead And Gone」が全英2位の大ヒットを記録。続く年末にリリースされたデビュー・アルバム「McGuinness Flint」も9位にまで上昇する幸先の良いスタートを切る。2ndシングル「Malt And Barley Blues」も全英5位を記録し、大きな成功をつかむ。

 セカンド・アルバム「Happy Birthday Ruthy Baby」リリース後の1971年秋、ソングライター・デュオとしても注目を集めていたこともあって2人は独立を決意。再びGallagher & Lyleとしての活動をスタートさせ、翌72年初頭にCapitolからセルフ・タイトルのデビュー・アルバムを発表する。A&Mに移り73年にはセカンド・アルバム「Willie And The Lapdog」をリリース。同年秋には早いスパンで3rdアルバム「Seeds」を発表した。

Gallagher & Lyle2 Glyn Johnsがプロデュースを受け持った初期作品で大きな商業的な成功をつかむには至らなかったが、ルーラルな雰囲気が濃厚な佳作に仕上がっており、ファンに人気の作品群となった。

 73年にはJohnsからの要請で元FacesRonnie Laneの新バンドSlim Chanceのレコーディングに2人揃って参加。そのまま正式メンバーとなり、英チャートで11位のヒットとなったデビュー・シングル「How Come」や名作アルバム「Anymore For Anymore」のレコーディングに大きく貢献する。

 74年半ばにはA&Mとの契約が残っていたことからツアーを前に離脱。デュオでの活動に戻り、Slim ChanceのBruce RowlandやBilly Lisvey、Jimmy Jewellら仲間の協力で4枚目の「The Last Cowboy」を発表。

 75年には2人のオリジナル曲「Breakaway」をArt Garfunkelが取り上げ、米39位のヒットを記録。これをきっかけに米国でも広くソングライターとして知られる存在となる。よりポップな作風に移行した翌76年にはアルバム「Breakaway」、さらにシングル「I Wanna Stay With You」「Heart On My Sleeve」が英米でヒットし、ソングライターとしてだけでなくアーティストとしても大きな商業的な成功を収めた。

 その後もコンスタントにシングル、アルバムの制作を続け1980年まで活動。チームを解消後も2人の作品は多くのアーティストに取り上げられた。その後は長らく別々の活動を行っていたが、2010年にはチャリティー・コンサートでデュオ復活が実現。2012年には久々のツアーも行うなど活動を続けた。


<albums>
Gallagher & Lyle (Capitol ST21906) 1972/1
Willie And The Lapdog (A&M AMLH68148) 1973/3
Seeds (A&M AMLS68207) 1973/10
The Last Cowboy (A&M AMLS68273) 1974/9
Breakaway (A&M AMLH68348) 1976
Love On The Airwaves (A&M AMLH64620) 1977
Showdown (A&M AMLH68461) 1978
Lonesome No More (Mercury 9109 628) 1979

・ライブ作品など
Stereo Pop Special-71 (BBC CN2070/S) 1974/7 ※B面のみ/74年5月ロンドン
In Concert-175 (BBC CN3092/S) 1978 ※78年3月アリスバーリー
In Concert-217 (BBC CN3465/S) 1980 ※79年11月ロンドン
BBC Live In Concert (Strange Fruit SFRSCD059) 1999 ※73~78年
The River Sessions (River RIVERCD001) 2004 ※74年

・その他
An Apple A Day/V.A. (RPM 312) 2008 ※デモ3曲/The Cups名義1曲
Treacle Toffee World/V.A. (RPM Retro843) 2008/10 ※編集盤/未発表1曲

<singles>
Trees/In The Crowd (Polydor 56170) 1967/7
Desiderata/Comfort And Joy (Capitol CL15710) 1972/1
Give A Boy A Break/Joie De Vivre (A&M AMS7013) 1972/7
Dan/Home (A&M AMS7048) 1973/3
Jesus Save Me/Among The Birks (A&M AMS7063) 1973/4
Sittin’ Down Music/S.S. Man(A&M AMS7077) 1973/7
Shine A Light/All I Want To Do (A&M AMS7087) 1973/10
I Believe In You/Seeds (A&M AMS7099) 1974/2
Song And Dance Man/Acne Blues (A&M AMS7134) 1974/9
We/King Of The Silents (A&M AMS7142) 1974/11
I Wanna Stay With You/Fifteen Summers (A&M AMS7211) 1976/2
Heart On My Sleeve/Northern Girl (A&M AMS7227) 1976/5
Breakaway/Rock Writer (A&M AMS7245) 1976/8
Every Little Teardrop/Street Boys (A&M AMS7274) 1977/1
The Runaway/Call For The Captain (A&M AMS7282) 1977/4
I Had To Fall In Love/Head Talk (A&M AMS7300) 1977/7
Showdown/Golden Boy (A&M AMS7332) 1978/1
You’re The One/Backstage (A&M AMS7356) 1978/5
Missing You/Sunny Side Up (Mercury 6007 233) 1979/8
Living On The Breadline/Take The Money And Run (Mercury MER33) 1980/8
You Put The Heart Back In The City/Fifteen Summers (A&M AM443) 1988/5
Heart On My Sleeve-Gold Heart Day Ver/’91 remix (A&M AM732) 1991/2

・The Cups名義
Good As Gold/Life And Times (Polydor 56777) 1969/9


【メンバー変遷】
#1(1964-1980/2010- )
Benny Gallagher:vo/g/b/key/acrdn/mdln
Graham Lyle:vo/g/mdln/vln/b