High Tide

High Tide 活動期間1968.late-1971/1980s.late-
 フリーク・ビートの名バンド元The Misunderstoodのファズ・ギタリストTony Hillが結成したノッティング・ヒルのヘヴィ・サイケデリック・バンド。トリオ編成で発進するが、すぐにベースのPeter Pavliを加えた4人組となる。

 1969年に元The Warm SoundsのDenver Gerrardのプロデュースでデビュー・アルバム「Sea Shanties」をリリース。翌年にセルフ・タイトルのセカンドを発表。ファズのかかったHillのギターにSimon HouseのヴァイオリンやPavliのチェロが絡む楽曲は個性的で強いインパクトを与えた。1970年にはデビュー作のプロデュースに当たったDenver (Denny) Gerrardのソロ作の録音にメンバー全員が参加している。

 同年のセカンド・アルバムのリリース後にドラマーRoger Haddenが脱退し、代わってCharles Xが加入。同時期にはPavliの元バンド仲間で末期The Crazy World Of Arthur Brownを経てRustic Hingeで活動していたギタリストAndroid Funnelを加えた5人編成となる。Pavliはこの頃Rustic Hingeの録音にも参加しており、まもなく離脱したCharles Xに代わって同グループのDrachen Theakerが新ドラマーに迎えられている。1971年にグループは自然消滅を余儀なくされた模様。

 1970年のRustic Hingeの録音は当時未発表に終わり1988年になってリリースされたが、この中にHigh Tideの演奏が1曲収められている。1970年代半ばごろから断続的にHill、Pavli、Theakerを中心にセッションが行われていたようで、1990年には1970年代の未発表音源が日の目をみている。1980年代後半にイタリアのレーベルから未発表音源がリリースされ、これを契機にHillがバンドを再編、新録音作品もリリースした。この頃、インド音楽に傾倒していたTheakerやヴァイオリン奏者Dave Tomlinらを中心とする派生グループHazchemでもアルバム制作が行われている。

 マネージメント会社がノッティング・ヒルのClearwaterだったこともあり、HouseやPavliら在籍メンバーはHawkwindの周辺グループでの活動が多い。


<albums>
Sea Shanties (Liberty LBS83264) 1969/10
High Tide (Liberty LBS83294) 1970/8

Interesting Times (High Tide HTR001) 1986 ※未発表音源/オリジナルはカセット・リリース
Precious Cargo (Cobra CD003) 1989 ※Italy/70年スタジオライブ
The Flood (World Wide SPM-WWR-CD0005) 1990 ※70、71、76、79年の未発表音源
Ancient Gates (World Wide SPM-WWR-CD007) 1990
A Fierce Nature High Tide (World Wide SPM-WWR-CD0012) 1990 ※新録音
The Reason Of Success (World Wide SPM-WWR-CD0024) 1990 ※新録音

Replicas/Rustic Hinge (Reckless RECK3) 1988 ※70年の未発表音源。High Tide名義で1曲収録


【メンバー変遷】
#1(1968.late-1969.early)
Tony Hill:g/vo
Simon House:b/vln
Roger Hadden:ds

#2(1969.early-1970)
Tony Hill:g/vo
Simon House:vln/key
Roger Hadden:ds
Peter Pavli:b
※Rodge Cooper:ds (69/5のBBCセッションに参加、代役?)

#3(1970)
Tony Hill:g/vo
Simon House:vln/key →Third Ear Band
Peter Pavli:b (Rustic Hinge)
Android Funnel:g (Rustic Hinge)
Charles X:ds

#4(1970-1971)
Tony Hill:g/vo
Peter Pavli:b →Third Ear Band
Android Funnel:g
Drachen Theaker:ds (ex-Rustic Hinge)

#5?(1970s late)
Tony Hill:g/vo
Drachen Theaker:ds
Peter Pavli:b

再編(1980s.late- )
Tony Hill:g/vo
Drachen Theaker:ds
Peter Pavli:b
Android Funnel:g
※Simon House:vln/key
※Dave Tomlin:vln