Ray Davies

Davies,Ray vocals/guitar/keyboards
 1944年6月21日生まれ。ロンドンのマスウェル・ヒル出身。The Kinksのリーダー、ソングライターとして世界的な知名度と影響力を持つ。ラブ・ソングが主流だった60年代中期までのロック・ミュージックの歌詞に「社会」や「人間性」など、それまであまりみられなかった題材を取り込んだ最初期の一人。The Kinks初期の名曲「You Really Got Me」はロック・クラシックとして後年、多くのアーティストがカバーしている。

 上の5人がすべて姉という7人兄弟の6番目に生まれる。13歳の時にギターを手にし、米国のロックンロールやブルースなどに強い影響を受ける。18歳で映画・演劇のプロデューサーや演出家になることを志しアート・カレッジに進学。しかし、この頃、ロンドンに最初のR&Bブームが到来し次第に傾倒。
 
 1962年、弟のDave DaviesとRayの学友だったPete Quaifeが組んだビート・バンドThe Ravensに加入する。同年末5曲入りのデモテープを制作。これにPyeが興味を示し、ドラマーにMick Avoryを加えて、レーベル側の意向でグループ名をThe Kinksに改名。64年2月にLittle Richardのカバー「Long Tall Sally」でデビューを果たす。

 デビュー作に続き、セカンド・シングルも極端な不調に終わるが、3枚目のシングル「You Really Got Me」が全英チャートのトップに輝く大ヒットを記録。続く「All Day And All Of The Night」「Tired Of Waiting」と続けざまにヒットを放ち、一気に人気グループとなる。

 1960年代半ばからは独自の視点で書かれる風変わりな歌詞が話題に。また、66年リリースのアルバム「Face To Face」はトータル・コンセプト・アルバムの先べんとなった名作で、今後、コンセプト・アルバムの制作を70年代半ばまで続けることになる。しかし、60年代後半はツアー先でのトラブルなどが要因で、米国でのライブやプロモート活動が禁止されるなどの打撃を受け、セールス的には苦戦を強いられることになった。また、有名な弟Daveとの愛憎入り混じった確執、メンバー間の不和、さらに浮き沈みの激しいRayのモチベーションなど、バンド活動はつねに不安定な状態にあったとも言われている。

 1970年にはシングル「Lola」が久々のヒットを記録するも、RCA移籍後の70年代は良質な作品をコンスタントにリリースする一方で、一連のコンセプト・アルバムやショーバンド風または演劇的なステージが熱狂的なファン以外の一般にはなかなか受け入れられず、セールス面での成功は得られなかった。

 Arista移籍後の70年代後半からはシンプルなロックに回帰、精力的なギグも奏功し、米国を中心に人気、セールスともに回復。1982年には初の来日公演を実現させた。その後もコンスタントにアルバム制作、ライブ活動を継続した。

 96年にThe Kinksとしての活動を停止。90年代は「X Ray」「Waterloo Sunset」などの著述を相次いで発表。ソロ活動としては85年に自身が脚本・監督まで手掛けた映画サントラの「Return To Waterloo」に続き、98年にはソロ名義としては実質的な初のソロ・ライブ作をリリース。

 2004年にはニューオーリンズで強盗に足を銃で撃たれ負傷するも、その後復帰し、スタジオ・アルバムとしては初のソロ作となる「Other People’s Lives」を06年にリリース、07年には「Working Man’s Cafe」を発表するなど、精力的な活動を再開させた。2008年にはThe Kinksの再編計画が進んでいることが報道されたが、この時は実現されなかった。


【参加アルバム】
<group>
・The Kinks
Kinks (Pye NPL18096) 1964/10
Kinda Kinks (Pye NPL18112) 1965/3
The Kink Kontroversy (Pye NPL18131) 1966/2
Face To Face (Pye NPL18149) 1966/11
Live At The Kelvin Hall (Pye NPL18191) 1967/5
Something Else By The Kinks (Pye NPL18193) 1967/6
The Village Green Preservation Society (Pye NSPL18233) 1968/11
Arthur Or The Decline And Fall Of The British Empire (Pye NSPL18317) 1969/10
Lola Versus Powerman & The Moneygoround Part 1 (Pye NSPL18359) 1970/11
Percy (Pye NSPL18365) 1971/3 ※soundtrack
Muswell Hillbillies (RCA SF8243) 1971/11
Everybody’s In Show Biz – Everybody’s A Star (RCA DPS2035) 1972/8
Preservation Act 1 (RCA SF8392) 1973/12
Preservation Act 2 (RCA LPL2 5040) 1974/6
Soap Opera (RCA SF8411) 1975/5
Schoolboys In Disgrace (RCA RS1028) 1975/11
Sleepwalker (Arista SPARTY1002) 1977/2
Misfits (Arista SPARTY1055) 1978/5
Low Budget (Arista SPARTY1099) 1979/7
One For The Road (Arista DARTY6) 1980/6
Give The People What They Want (Arista SPARTY1171) 1981/12
State Of Confusion (Arista 205-275) 1983/6
Word Of Mouth (Arista AL8-8264) 1984/12
Think Visual (London LONLP27) 1986/11
The Road (London LONLP49) 1988/5
UK Jive (London 828 165-2) 1989/10
Did Ya (Columbia 44K74059) 1991 ※5曲入りミニ・アルバム
Phobia (Columbia CK48724) 1993/4
To The Bone (Konk KNKLP1) 1994/11
To The Bone (Guardian 7243 8 37303 2 1) 1997/3

<solo albums>
Return To Waterloo (Arista AL6-8386) 1985/7 ※US
The Storyteller (EMI 7243 4 94268 2 6) 1998/3
The Tourist EP (V2 Music WR5036183P/LC01801) 2005/9 ※CDEP
Other People’s Lives (V2 Music WR1035352) 2006/2
Thanksgiving Day (V2 63881-27286-2) 2005 ※EP
Working Man’s Cafe (V2 International WR1048572) 2007/10
See My Friends (Universal 2752942) 2010/11

<solo single>
Quiet Life/Voices In The Dark (Virgin VS865) 1986/5

<produce>
Turtle Soup/Turtles (White Whale WWS7124) 1969/10 ※US
Stage Door Johnnies/Claire Hamill (Konk KONK101) 1975/1
Cafe Society/Cafe Society (Konk KONK102) 1975/10 ※Dave, J. Goslingと共同
Wolf/Trevor Rabin (Chrysalis CHR1295) 1981/1

【参加グループ】
Hamilton King’s Blues Messengers (1962) with Peter Bardens
The Ravens (1962-1963.11)
The Kinks (1963.12-1996)