活動期間1972.mid-1973.10/1982.5-1989
ギター・ヒーローGary Mooreがソロ活動のために組織した自身のバック・バンド。数多くのHR系名ミュージシャンが在籍した。
実質的なグループGary Moore Band名義でリリースしたアルバムはSkid Rowを脱退してGaryの最初のソロ活動となった1973年の「Grinding Stone」のみ。在籍していたThin LizzyやColosseum IIのメンバーの協力で制作された78年のソロ第1弾「Back On The Streets」を除き、1980年以降のソロ活動ではバンドとしての体制を保ちながら、アルバムなどはほぼGaryの個人名義でリリースされている。
【メンバー変遷】
#1 (1972.5-7)
Gary Moore:g/vo
Chuck Carpenter:g
Sammy Cook:b
Jan Schelhaas:key
Pearse Kelly:ds
1971年末にSkid Rowを脱退したGaryが結成。上記メンバーがオリジナル・ラインナップかどうかは不明だが、初期ギグのラインナップ。Schelhaasは元National Head Band、ドラマーのPearse Kellyは北アイルランドのダンガノン出身なのでGaryとは旧知の仲だったのか。
#2 (1972.7-12?)
Gary Moore:g/vo
Chuck Carpenter:g
Jan Schelhaas:key
Pearse Kelly:ds
Frank Boylan:b
すぐにベースがCookから元Mellow CandleのFrank Boylanに変更となった。Gary Moore Blues Bandを名乗ってギグを行った。
#3 (1973.1-10)
Gary Moore:g/vo
John Curtis:b
Pearse Kelly:ds
※Jan Schellhaas:key
※Phillip Donnelly:g
※Frank Boylan:b
同年5月リリースのアルバム「Grinding Stone」 (CBS S65527) を上記メンバーで制作。ベースがJohn Curtisに代わっており、アルバム・リリース後のツアーはトリオ編成で行われた模様。アルバム・セールスは思わしくなく、10月に最後のギグを行い、そのまま解散となったようだ。解散後、KellyはGraham BellのバックやJohn Weiderのソロ作に参加。SchellhaasはCaravan、Camelで活躍する。
#4 (1980.11) ※Gary Moore & Friends #1
Gary Moore:g/vo
Kenny Driscoll:vo
Andy Pyle:b
Don Airey:key
Tommy Aldridge:ds
活動半ばでG-Forceを短期解散させてしまったことに伴い、所属のJetとのレコーディング契約を消化させる目的で結成したギグ・バンド。80年11月に計4回マーキーに出演し、その様子がライブ録音された。結構豪華なメンバーが揃ったが、下記#5の項に記述したように問題が発生。この時の音源はお蔵入りとなったはずだったが・・・。人気に便乗する形で83年になって「Live At The Marquee」 (Jet LP245) としてリリースされることに。
#5 (1981.1) ※Gary Moore & Friends #2
Gary Moore:g/vo
Don Airey:key
Tommy Aldridge:ds
Jimmy Bain:b
Charlie Huhn:vo
翌81年1月に一部メンバーを変えてスタジオ・レコーディングに臨むも、Cozy Powellのソロ・アルバムの制作を同時に行ったことが契約違反となり、いずれの音源も当時のリリースが見送られることになった。Mooreはこれが原因で同じマネージメント所属のGreg Lakeのソロ活動のサポートなどを余儀なくされ、本格的なソロ活動の再開が遅れることになった。
しかし、Mooreの人気が高まった1983年になって、マーキーでのライブ音源が「Live At The Marquee」として特に人気が高かった日本先行でリリース。スタジオ・レコーディングの音源もアルバム「Diry Fingers」(Castle Classics CLALP131)として日本先行でリリースされている。いずれもJetが日本での大人気に便乗して跳ね上がった販売権をソニーに譲渡したもので、Gary側にとっては皮肉な結果となっている。
#6 (1982.5-7)
Gary Moore:g/vo
Neil Murray:b
Tommy Eyre:key
Ian Paice:ds
Greg Lakeとの活動を終え、ハード・ロックに興味を持っていたVirginと新たに契約。Jetとの契約問題もVirgin側の協力により目途が付く。再編された自身グループは、元WhitesnakeのNeil MurrayとIan Paice、売れっ子セッション・マンとしても著名なTommy Eyreからなる強力なラインナップとなった。このメンバーでアルバム「Corridors Of Power」 (Virgin V2245)を制作。
#7 (1982.7-11)
Gary Moore:g/vo
Neil Murray:b
Tommy Eyre:key
Ian Paice:ds
Charlie Huhn:vo
ライブでのヴォーカル・パートの強化を目的として米国出身のシンガーCharlie Huhnが加わる。このメンバーでレディング・フェスに出演。10月にアルバム「Corridors Of Power」をリリース。8月にマーキーで行った上記メンバーによるライブ3曲が初回特典EPとして添付された。
#8 (1982.11-1983.3)
Gary Moore:g/vo
Neil Murray:b
Ian Paice:ds
John Sloman:vo
Don Airey:key
HuhnとEyreが抜け、代わってColosseum II時代からの仲間Don Aireyと元Lone StarのシンガーJohn Slomanが加入。Lone Starの初代ヴォーカリストは、1980年に数回ながらGaryと共演(マーキーでギグ)した経験のあるKenny Driscollで、歴代シンガーがいずれもGaryのフロントマンを務めることになった。初来日もこのメンバー時。
#9 (1983.3-5)
Gary Moore:g/vo
Neil Murray:b
Ian Paice:ds
Don Airey:key
Slomanが離脱したことに伴い、Garyが全面的にリード・ヴォーカルを兼任する形に。
#10 (1983.5-10)
Gary Moore:g/vo
Neil Murray:b
Ian Paice:ds
Neil Carter:key/vo/g
英国ツアー後にOzzy Osbourneのバック・バンドに加入するためにDon Aireyが脱退し、代わって元Wild Horses、UFOのマルチ奏者Neil Carterが加わった。Carterはこの後80年代末までグループの主軸として活躍する。
#11 (1983.10-1984.5)
Gary Moore:g/vo
Ian Paice:ds
Neil Carter:key/vo/g
Craig Gruber:b
アルバム「Victims of the Future」 (Ten DIX2) を制作。10月からレコーディングに入ったが、Murrayが活動を再開したWhitesnakeに加わるため離脱。代わって元RainbowのCraig Gruberが加入している。
#12 (1984.5-8)
Gary Moore:g/vo
Neil Carter:key/vo/g
Craig Gruber:b
Bobby Chouinard:ds
米国ツアーに入るが、第2期黄金期メンバーによるDeep Purple再結成のためPaiceが離脱。代わってBobby Chouinardが加わる。アルバム「Victims of the Future」の録音時、体調不良のPaiceの代役を務めた経験から起用された模様。#11とこのメンバー時のライブが「We Want Moore! 」(Ten GMDL1) としてリリースされた。
#13 (1984.9-12)
Gary Moore:g/vo
Neil Carter:key/vo/g
Craig Gruber:b
Paul Thompson:ds
Chouinardはサポートだったようで、8月のモンスター・オブ・ロックへの出演からは元Roxy MusicのPaul Thompsonが加わった。
#14 (1984.12-1985.mid)
Gary Moore:g/vo
Neil Carter:key/vo/g
Paul Thompson:ds
Bob Daisley:b
ベースが名手Bob Daisleyに代わってアイルランド・ツアー。この頃から85年秋リリースの「Run For Cover」 (Ten DIXCD16) の録音が行われていた模様。
#15 (1985.mid-1986.8)
Gary Moore:g/vo
Neil Carter:key/vo/g
Bob Daisley:b
Gary Ferguson:ds
85年半ば「Run For Cover」制作時にドラマーがGary Fergusonにスイッチ。リリース後のツアーは上記4人で行われた。
#16 (1986.8-1987.3)
Gary Moore:g/vo
Neil Carter:key/vo/g
Bob Daisley:b
アルバム「Wild Frontier」 (Ten DIXCD56) を制作。適切な人材が見つからず、ドラマー不在のままレコーディングに臨み、全編ドラム・マシーンが使われてつくられた。
#17 (1987.3-1988.9)
Gary Moore:g/vo
Neil Carter:key/vo/g
Bob Daisley:b
Eric Singer:ds
ニューアルバム・リリースに伴うワールド・ツアーを敢行。不在だったドラマーには新たに米国人ドラマーのEric Singerを加える。
#18 (1988.10-1989.2)
Gary Moore:g/vo
Neil Carter:key/vo/g
Bob Daisley:b
Cozy Powell:ds
アルバム「After The War」 (Virgin CDV2575)を制作。新ドラマーにはCozy Powellが加入。
#19 (1989.3-5)
Gary Moore:g/vo
Neil Carter:key/vo/g
Bob Daisley:b
Chris Slade:ds
アルバム・リリース後のツアーにCozyは参加せず。代わって元Manfred Mann’s Earth BandなどのChris Sladeが起用される。
#20 (1990.4-1991.9)
Gary Moore & The Midnight Blues Band
Gary Moore:g/vo
Andy Pyle:b
Don Airey:key
Graham Walker:ds
Frank Mead:sax/harp
Nick Peyn:sax
Nick Pentelow:sax
Martin Drover:tp
ブルースへと回帰したアルバム「Still Got The Blues」 (Virgin CDV2612) をリリース。バンド名をGary Moore & The Midnight Blues Bandとしてツアー。ベースにPyle、キーボードにAireyを久々に復帰させ、本アルバムにも参加したホーン・セクションを含めて8人編成の大所帯に。
#21 (1991.9-1992.11)
Gary Moore & The Midnight Blues Band
Gary Moore:g/vo
Andy Pyle:b
Tommy Eyre:key
Graham Walker:ds
Frank Mead:sax/harp
Nick Peyne:sax
Nick Pentelow:sax
Martin Drover:tp
Candy MacKenzie:backing vocals
Carol Thompson:backing vocals
1991年秋からニューアルバム「After Hours」 (Virgin CDV2684)の録音に入る。Aireyが離脱し、代わって同じく復帰組のEyreが後任になった以外はメンバーチェンジなく、コーラス隊を加えて92年5月からツアー。この時のライブ音源が「Blues Alive」 (Virgin CDVX2716)として93年にリリースされた。しかし、93~94年はBBMの活動がメインとなる。
#22 (1995)
Gary Moore & The Midnight Blues Band
Gary Moore:g/vo
Andy Pyle:b
Tommy Eyre:key
Graham Walker:ds
Nick Peyne:sax
Nick Pentelow:sax
95年のアルバム「Blues For Greeny」 (Virgin CDV2784)を上記メンバーで制作。ややブランクが空いたが、92年の主軸メンバー全員が揃った。リリース後は多数のギグが予定されていたようだが、ステージは結局上記メンバーで2度行われた以外すべてキャンセルされた。
#23 (1997)
Gary Moore:g/vo
Guy Pratt:b
Gary Husband:ds
Magnus Fiennes:key
アルバム「Dark Days In Paradise」 (Virgin CDV2826) を上記メンバーで制作し、4人で欧州ツアーを行った。HusbandはBBMでGinger Bakerの後任を務めていた。
#24 (1999-2000)
Gary Moore:g/vo
Graham Walker:ds
Pete Rees:b
Vic Martin:key
99年初頭、Gary Husbandの協力でアルバム「A Different Beat」 (Raw Power RAWCD142) を制作。Garyはベース、キーボードも演奏、イメージを払しょくするようにデジタル機材を駆使してほぼ2人の「Gary」でつくり上げた。ただ、その後のツアーにHusbandは参加せず、Walkerを復帰させメンバーを一新している。
#25 (2001)
Gary Moore:g/vo
Pete Rees:b
Vic Martin:key
Darrin Mooney:ds
※Frank Mead:sax
※Nick Peyne:sax
※Nick Pentelow:sax
ドラマーをDarrin Mooneyに変更して本国ツアーなど。このメンバーにThe Midnight Blues Band時代のホーン隊を加えてアルバム「Back To The Blues」 (Sanctuary SANCD072)を制作。
#26 (2002-2003)
Scars
Gary Moore:g/vo
Darrin Mooney:ds
Cass Lewis:b
突如としてScarsを名乗って活動。シンプルなスリー・ピースでアルバム「Scars」 (Sanctuary SANCD120)を発表。