Tony Iommi

Tony Iommi guitars
 1948年2月19日生まれ。ウェスト・ミッドランズのアストン出身。Black Sabbathのオリジナル・メンバー。一度もグループを離れることなく一貫してバンド・リーダーとして君臨、メタル・シーンに大きな足跡を残すレフティ・ギタリスト。

 ローティーンの頃に聞いたThe Shadowsなどに影響を受け、ギターを演奏するようになる。17歳の時、仕事場の工場で右手の中指と薬指の先端を切断する事故に遭遇。左利きのため弦を押さえる右手指の負傷は致命的となったが、職場の上司がIommiを励ますため、やけどの後遺症で指が思うように動かせなかったジャズ・ギタリストDjango Reinhardtのアルバムを聞かせ、その後奮起。指先に器具をつけることでハンディキャップを克服する。

 1960年代半ば同郷のドラマーBill WardらとThe Restで活動。まもなくMythologyというジャズ/ブルース・バンドに加入。1968年には同郷のRare BreedというグループにいたGeezer Butlerと同じ学校の1年後輩だったOzzy Osbourneと合流、Polka Tulk Blues Band、さらにEarthへと発展。同年末にはMick Abrahamsが抜けたJethro Tullにスカウトされるが、テレビ番組の収録(未放送に終わったThe Rolling Stonesが企画したTVショー「ロックン・ロール・サーカス」)のみですぐに離脱し復帰。

 1969年に入ってButlerの提案でグループ名をBlack Sabbathに改名。重厚でダークなオリジナリティ溢れる演奏と黒魔術などのオカルト志向を打ち出したイメージ戦略が奏功、Vertigoとの契約を獲得し70年2月にアルバム「Black Sabbath」でデビューを飾る。同作は全英8位の再先の良いスタートを切る。さらにセカンド「Paranoid」はチャートのトップに立つビッグ・ヒットを記録し、一気に世界的HRバンドにのし上がる。

 1970年代末までオリジナル・メンバーで活動を続け、Ronnie James Dioを迎えた1980年代前半も高い人気を持続したが、メンバー間の確執や相次ぐヴォーカリストの脱退などにより、80年代半ばにはグループ存続が危ぶまれる危機的状況となる。しかし、その後もグループを存続させ活動を継続。特に80年代末頃からは、多数の後進グループがリスペクトを表明したことで再評価の機運が高まり、「メタル・ゴッド」として君臨し続けた。

 オリジナル・ラインナップによる活動を除けば「Sabbath=Iommi」の構図となるためソロ名義での活動は少ないが、2000年には自身初のソロ・アルバム「Iommi」をリリース。1986年リリースの「Seventh Star」は当初Iommiのソロとして制作が開始されたが、レーベル側の要望によりBlack Sabbath名義での発表となっている。同作でヴォーカルを務めたGlenn Hughesとの双頭アルバムも2000年代にリリース。

 Black Sabbathとしては1990年代以降、Iommiを中心に新旧メンバーが参加・離脱を繰り返しつつ活動を継続。何度かオリジナル・メンバーで再編公演を行ってきたが、97年の再結成はその後もパーマネントなライブ活動に発展、98年にはライブと新録音2曲を収録した2枚組「Reunion」をリリースしている。2013年には新作「13」を発表し、各国で好セールを記録、健在振りを示した。オリジナル・ラインナップとの差別化のため、Ronnie James Dioがヴォーカルを務める編成の際には1980年の名作アルバムにちなんでHeaven And Hellと名乗って活動した。

【参加アルバム】
<group>
Black Sabbath (Vertigo VO6) 1970/2
Paranoid (Vertigo 6360 011) 1970/9
Master Of Reality (Vertigo 6360 050) 1971/8
Black Sabbath Vol.4 (Vertigo 6360 071) 1972/9
Sabbath Bloody Sabbath (WWA WWA005) 1973/12
Sabotage (Nems 9119 001) 1975/9
Technical Ecstasy (Vertigo 9102 750) 1976/10
Never Say Die (Vertigo 9102 751) 1978/10
Heaven And Hell (Vertigo 9102 752) 1980/4
Live At Last (Nems BS001) 1980/7
Mob Rules (Vertigo 6302 119) 1981/11
Live Evil (Vertigo SAB10) 1982/12
Born Again (Vertigo VERL8) 1983/10
Seventh Star (Vertigo VERH29) 1986/1
The Eternalidol (Vertigo VERH51) 1987
Headless Cross (IRS EIRSA1002) 1989/7
TYR (IRS EIRSACD1038) 1990/8
Dehumanizer (IRS EIRSCD1064) 1992/6
Cross Purposes (IRS EIESCD1067) 1994/1
Cross Purposes – Live (PMI/EMI SAV4913143) 1995
Forbidden (IRS EIRSCD1072) 1995/6
Reunion (Epic 4919549) 1998/10
13 (Vertigo 3735427) 2013/6

・Heaven And Hell
Live From Radio City Music Hall (Rhino R2 255484) 2007/8
The Devil You Know (Roadrunner RR7853-2) 2009
Neon Nights-30 Years Of Heaven & Hell (Armoury ARMCD531) 2010

<solo album>
Iommi (Divine P2 27857CD) 2000/10

・その他
Twang!-A Tribute To Hank Marvin & The Shadows/V.A. (Pangaea 72438-33928-2-7) 1996

・with Glenn Hughes
The 1996 DEP Sessions (Mayan MYNCD030) 2004/10
Fused (Sanctuary SANCD372) 2005/7

<session>
Funkist/Bobby Harrison (Capitol 11415) 1975 ※US/72年録音
Back Where I Belong/Tony Martin (Polydor 513 518-2) 1992

【参加グループ】
The Rockin’ Chevrolets (1964-1965)
The Rest (1965-1967)
Mythology (1968.1-7)
Velvett Fogg (1968.mid) 1度のギグのみで離脱
Polka Tulk Blues Band (1968.7-9)
Earth (1968.9-1969.9)
Jethro Tull (1968.12)
Black Sabbath (1969.9- )
Heaven & Hell (2006-2010)