Tony Hicks

Tony Hicks drums
 1948年8月8日生まれ。ヨークシャーのミドルスブラ出身。ジャズ・ロック・トリオBack Doorのドラマー。

 学生時代はピアノ奏者を希望していたが、最初のバンドで不在だったドラマーに就く。1960年代半ばには、友人だったサックス奏者Ron Asperyの推薦でジャズ・ドラマーEric Delaneyのバンドのローディーとして働く。1968年からはセッション・ドラマーとしてオーストラリアに渡り活動し、1970年に帰国。

 1971年にはAspery、Colin Hodgkinsonとともにジャズ・ロック・トリオBack Doorを結成。テクニカルで強力な演奏が評判となるが、大手レコード会社はシンガーがいないことなどを理由に契約を躊躇。このため、1972年6月に自主制作でデビュー・アルバム「Back Door」を制作する。メディアからの高評価が後押しとなり、オーディションを通じてWarner Brothersとの契約を獲得。まもなくデビュー作は再リリースされる運びとなった。

 1974年リリースのサード・アルバム「Another Fine Mess」では、オーストラリア時代からの仲間でキーボードのDave MacRaeらゲストを迎えて制作。MacRaeはその後のギグにも参加するが、1975年にMacRaeとともにバンドを離脱した。

 その後は主にセッション活動に入り、MacRaeとともにRobert Wyattのバックをはじめ、Mac RaeとPacific Eardrumでも活動するギタリストのIssac Guillory、名シンガーソングライターChris Rea、元FreeAndy Fraser、HodgkinsonとともにAlexis Kornerのバックなどを務めた。

 1980年には女性シンガーCarol Grimes、ギタリストのPeter KirtleyらとSweet F.A.を結成、スウェーデンでアルバム1枚を制作している。

 2003年にはオリジナル・メンバーでBack Doorを再編。新作アルバム「Askin’ The Way」をリリースし、ギグも行うが、同年末にAsperyが他界。その後Rod Masonを加えて活動を継続するが、2006年8月12日、脳内出血によりシドニーで他界。


【参加アルバム】
<group>
・Back Door
Back Door (Blakey BLP5989/Warner Bros. K46231) 1972
8th Street Nites (Warner Bros. K46265) 1973
Another Fine Mess (Warner Bros. K56098) 1974
Askin’ The Way (Cultural Foundation CULT023) 2003

・Sweer F.A.
Sweer F.A. (MNW MNW103P) 1980 ※Sweden

<session>
Guitar Workshop Volume 2 (Transatlantic TRA315) 1976
Midnight Over England/John Glover (The Electric TRIX9) 1979
Juvenile Delinquent/Alexis Korner (Charisma CAS1165) 1984
Desire For Freedom/Jim Diamond (A&M AMA5131) 1986
Don Spencer’s Australia For Kids/Don Spencer (ABC 838 415-2) 1989 ※Australia
Flotsam Jetsam/Robert Wyatt (Rough Trade R3112) 1994 ※compilation
We Only Want The Earth/Cornelius Cardew (Musicnow MNCDx004) 2001


【参加グループ】
Eric Delaney Band
Back Door (1971-1975)
Unity/Hanwell Band & Robert Wyatt (1976)
Sweet F.A. (1980)
Andy Fraser Band