Vincent Crane

Crane,Vincent keyboards
 1943年5月21日生まれ。バークシャー州のレディング出身。Atomic Roosterの中心人物。ワイルドかつ繊細なハモンド・オルガンのプレイスタイルは、後進のハード・ロック・キーボード奏者らに大きな影響を与えた。

 1964年ロンドンのトリニティ・カレッジ・オブ・ミュージックを卒業。この頃、ロンドンのR&Bムーブメントのけん引役となっていたGraham Bondのプレイに大きな影響を受ける。

 60年代半ば、自身のジャズ・コンボやジャズ&ポエトリーの活動を実践していたPete BrownThe Battered Ornamentsでの活動を経て、1966年Arthur Brownが結成したThe Crazy World Of Arthur Brownに参加する。全英チャート1位の大ヒットを記録したセカンド・シングル「Fire」やファースト・アルバムの録音に参加し、サイケデリック・サウンドの中核をなす活躍をみせる。

 1968年のUSツアーの最中に疲弊し神経衰弱となり離脱。秋には復帰するも翌年春にドラマーのCarl Palmerを引き連れて独立、Atomic Roosterを結成した。デビュー・アルバムはプログレッシヴ・ハード、John Cannが参加した2nd、3rdはハード・ロック色を強めたいずれも名盤で、この時期はシングル・ヒットを放つなど、セールス的にも大きな成功を収めている。

 Chris Farloweを擁した4~5作目はハード・ファンキーに音楽性を転じており、度重なるメンバー変遷とともに音楽性を変えつつ、74年までに5枚のアルバムをリリースした。しかし、後期はセールス的に苦しみ75年に解散。

 Arthur Brownとのジョイント・アルバム制作後、1979年にはNWOBHMのムーブメントを追い風にCannとAtomic Roosterを再編。84年までに2枚の再編アルバムを発表した。1985年にはPeter Green、Ray DorsetらとのバンドKatmanduでアルバムを制作している。

 1989年2月14日、躁うつ病の薬物過剰摂取により他界。自殺とされている。CannとみたびAtomic Roosterでの活動を計画中だった。


【参加アルバム】
<group>
・The Crazy World Of Arthur Brown
The Crazy World Of Arthur Brown (Track 2407 012) 1968/9

・Atomic Rooster
Atomic Rooster (B&C CAS1010) 1970/2
Death Walks Behind You (B&C CAS1026) 1970/9
In Hearing Of Atomic Rooster (Pegasus PEG1) 1971/7
Made In England (Dawn DNLS3038) 1972/10
Nice ‘N’ Greasy (Dawn DNLS3049) 1973/9
Atomic Rooster (EMI EMC3341) 1980/9
Headline News (Towerbell TOWLP4) 1983/6

・Arthur Brown/Vincent Crane
Faster Tha The Speed Of Light (Blueprint BP228) 1979

・Katmandu
A Case For The Blues (Nightflite NTFL2001) 1985

<solo>
Taro Rota (Voiceprint VP172) 198? ※with Arthur Brown

<session>
Rory Gallagher/Rory Gallagher (Polydor 2383 044) 1971/5
Time Actor/Richard Wahnfried (Innovative IC58 065) 1979 ※Germany


【参加グループ】
Pete Brown & His Battered Ornaments (1960s mid) ※パートタイム
The Vincent Crane Combo (1966)
The Crazy World Of Arthur Brown (1966.11-1968.7/1968.11-1969.5)
Atomic Rooster (1969.6-1975.2/1979-1984)
Katmandu (1985)