Rupert’s People

Ruper's People 活動期間1967-1970
 サイケ・ポップの企画グループ。Fluer De Lysが覆面演奏した「G線上のアリア」をモチーフとしたシングル「Reflection Of Charles Brown」など3枚のシングルをColumbiaに残した。

 ロンドンでビート・グループThe Extravertsを組んで活動していたシンガーのRod LyntonとドラマーのSteve BrendellがベースのRay Beverleyを加えて結成されたグループSweet Feelingが母体。

 1967年、Columbiaレコードがサイケ・ポップの新バンドを売り出そうと企画。Sweet Feelingが同年5月に同レーベルでリリースしたデビュー・シングル「All So Long Ago」のB面曲で、Lyntonがバッハ作の「G線上のアリア」をモチーフにつくった「Charles Brown」の改作「Reflection Of Charles Brown」がレコーディングされることになる。

 同シングルのセッションにはFluer De Lysのメンバーが呼ばれ、キーボードにPete Solleyを加えた編成で録音。B面曲はFluer De LysのベーシストGordon HaskellとLynton、さらにSweet Feelingのマネージャーで元The Barron KnightsのドラマーHoward Conderの共作曲「Hold On」で、同時期にSharon TandyがAtlanticからシングル・リリースしてヒットを記録。同曲のバックもFluer De Lysが務めている(同じレコーディング・セッション時の音源か)。

 7月にRupert’s Peopleというグループ名でシングル・リリースされるが、同年5月にProcol Harumが同じ「G線上のアリア」をモチーフに制作した「青い影」が大ヒットしたため、成功を収めるほどのセールスには至らなかった。

 しかし、オーストラリアでマイナーヒットを記録するなどFleur De LysのヴォーカリストChris Andrewsがこのグループでの活動に意欲をみせる。一方でSweet Feeling側はAndrewsを加えて活動することを拒否。このたため、元The MerseybeatsのJohn Banks、Lord Sutch’s SavagesのTony DangerfieldとAdrian Curtis(後のAdrian Gurvitz)をスカウト、実体のなかったRupert’s Peopleを新たに立ち上げる。

 だが、このラインナップは長く続かず、当のAndrewsがすぐにバンドを離れ、Curtisの兄Paul Curtisを加えるもほどなく空中分解を果たす。このため、急きょSweet Feelingがバンド名を引き継ぐことになり、元The IveysのギタリストDai Jenkinsを加えて活動を継続。1967~1968年にかけて2枚のシングルを残した。その後は本国よりも欧州やレバノンなど海外での演奏活動が多かった模様。

 同グループの後期マネージメントは後にThe Policeを手掛けるMiles Copelandが担当。活動後期はLyntonら主軸メンバーの離脱が相次ぎ、Copelandの弟で後にCurvid Airを経てThe Policeで大きな成功を収めるStewart Copelandがドラマーを務め、1970年にはStonefeatherに改名、フランスツアーなどを行うがまもなく解散した。元BakerlooのベーシストTerry Pooleも後期に在籍。

 キーボードのJohn Toutは後にRenaissanceに加入。LyntonとBrendellは新バンドMatchboxを結成してシングル1枚を残した。また、Brendellはアップルのスタッフとなり、後にJohn Lennonのアルバム「Imagine」のレコーディングに参加している。


<album>
・主な編集盤
The Magic World Of Ruperts People (Circle CPWC103) 2001

<singles>
Reflection Of Charles Brown/Hold On (Columbia DB8226) 1967/7
A Prologue To A Magic World/Dream In My Mind (Columbia DB8278) 1967/10
I Can Show You/I’ve Got The Love (Columbia DB8362)1968/3


【メンバー変遷】
#1(1967.summer)
Chris Andrews:vo (ex-Les Fleur De Lys)  → Tim Andrew名義でソロ
John Banks:ds (ex-The Merseybeats)
Tony Dangerfield:b (ex-Gulliver’s Travels/Lord Sutch’s Savages)
Adrian Curtis:g (ex-Neon Pearl)→ Gun
Paul Curtis:vo/g (ex-The Knack) → Gun

#2(1967.9-1968.1)
Rod Lynton:g/vo
Dai Jenkins:g (ex-The Iveys) → The Powerstop
Ray Beverley:b
Steve Brendell:ds
John Tout:key

#3(1968.1-1969)
Rod Lynton:g/vo
Ray Beverley:b
Steve Brendell:ds
John Tout:key

#4(1969)
Rod Lynton:g/vo
Steve Brendell:ds
John Tout:key
Dave Casey:b

#4(1969-1970.early)
Rod Lynton:g/vo
Steve Brendell:ds
John Tout:key
Terry Poole:b

#Stonefeather (1970.mid)
John Tout:key
Terry Poole:b
Stewart Copeland:ds
?:perc