guitar/vocals/harmonica
1942年2月28日生まれ。イングランド南西のグロスタシャー州チェルトナム出身。初期The Rolling Stonesのリーダーでグループの名付け親。多彩な楽器を巧みに操るマルチミュージシャンで、斬新なアレンジ能力と併せてある種天才的な才覚で初期バンドを根底から支えた。若くして他界したことでロック史におけるスキャンダラスなアイコンとして、セックス&ドラッグの象徴的なイメージとして語られることも多い。
子供の頃からピアノやクラリネットを学ぶなど中産階級の長男として音楽的に恵まれた環境で育つ。1950年代末にはスキッフルやジャズの演奏を開始するが、16歳で少女を妊娠させてグラマースクールを退学となった後は様々な職を転々とした。
1960年代に入ると仕事をする一方でセミプロとして音楽活動を継続、ヨーロッパ放浪後にロンドンでピアニストのIan Stewartとともにブルースやジャズ・バンドを組んで活動を始める。Alexis Korner’s Blues Incorporatedへの客演を機にMick Jagger、Keith Richardらと出会い、Brianのスライドギターの演奏に大きな感銘を受けた2人からバンド結成を持ちかけられ、意気投合する。
同年7月、Maddy Watersの曲名からバンド名をThe Rolling Stonesに決定。マーキーでデビューギグを行う。まもなくBill WymanやCharlie Wattsが合流し、1963年6月にデビュー・シングルCome On」でデビューを果たす。
ただ、作曲能力に乏しく、自身の音楽的趣向もブルースやR&Bに偏っていたこともあり、徐々にバンド内の主導権はMickとKeithに移行していく。プロデビューに当たってマネージメント、プロデュースを担当することになったAndrew Loog Oldhamの方針もあって少しずつバンド内で存在感を失っていくことに。
ドラッグの乱用が目立つようになり、1967~1968年にかけては実刑は免れたものの大麻で2度の逮捕を経験。まもなく楽器の演奏も難しくなり、さらにレコーディングにも来なくなるなど症状は悪化の一途をたどる。
1969年に入ると大規模な全米ツアーの必要性などからバンド側はBrianの解雇を検討。同年6月上旬、メンバーはBrianに解雇通告し、バンドを離れることになる。後任のギタリストにはJohn Mayallの推薦を受けた元BluesbreakersのMick Taylorに決定する。しかし、脱退から1カ月もたたない7月3日、ハートフィールド近郊に前年購入した自宅(「くまのプーさん」の作者A・A・ミルンが過去に居住していた邸宅)プールで死んでいるのが発見される。死因についてはドラッグとアルコールの影響による事故と結論付けられた。27歳の若さだった。
特にマルチミュージシャンとしての才能は大きく認めらており、代表的なものとしてはピアノ、サックス、クラリネット、シタール、ダルシマー、メトロトンなどを自在に操った。初めて触れる楽器でもすぐに奏法をマスターしたとも言われている。アレンジ能力にも長けており、1960年代中期から後期にかけてのStonesの音楽的な飛躍に大きく貢献している。乏しいとされる作曲能力だが、67年には西ドイツの映画「A Degree Of Murder」の音楽を楽曲提供、演奏含めて手掛けている例もある。
ただ、その一方でR&Bやブルースの古典にしか強い関心を示さなかったことなど音楽観がかなり狭かった点をメンバーが指摘。加えて人間的にも猜疑心の強い難しい性格で、これらがメンバー間の溝へとつながったと言われている。
ソロ作品は残さなかったが、1968年にモロッコを訪問した際に現地で録音した民族音楽を編集したアルバム「Brian Jones Presents The Pipes Of Pan At Joujouka」(プロデューサーとしてクレジット)が死後にリリースされている。
【参加アルバム】
<gourp>
・The Rolling Stones
The Rolling Stones (Decca LK4605) 1964/4
The Rolling Stones No.2 (Decca LK4661) 1965/1
Out Of Our Heads (Decca LK4733) 1965/9
Aftermath (Decca SKL4786) 1966/4
Between The Buttons (Decca SKL4852) 1967/1
Their Satanic Majesties Request (Decca TXS103) 1967/12
Beggars Banquet (Decca LK4955) 1968/11
Let It Bleed (Decca LK5025) 1969/12
<produce>
Brian Jones Presents The Pipes Of Pan At Joujouka (Rolling Stones COC49100) 1971/10
<session>
In Touch With Peter And Gordon/Peter & Gordon (Columbia 33SX1660) 1964/12
Revolver/The Beatles (Parlophone PMC/PCS7009) 1966/8
McGough & McGear/McGough & McGear (Parlophone PMC7047) 1968/3
Electric Ladyland/Jimi Hendrix Experience (Track 613 008/9) 1968/10
Western Flier/Hapshash & The Coloured Coat (Liberty LBS83212) 1969
・singles
365 Rolling Stones (One For Every Day Of The Year)/The Andrew Oldham Orchestra (Decca F11878) 1964/4
I’m Not Sayin/Nico (Immediate IM003) 1965/8
Lady Jane/Glyn Johns (Sonoplay SN20009) 1966 ※Spain
Is This What I Get For Loving You?/Marianne Faithfull (Decca F22524) 1967/2
You’ve Had Better Times/Sipping My Wine/Peter & Gordon (Columbia DB8451) 1968/7
Let It Be/You Know My Name/The Beatles (Apple R5833) 1970/3
【参加グループ】
John Keen Jazz Band (1961.late-1962.early)
Brian Jones Blues Band (1961.late-1962.early)
Thunder Odin’s Big Secret (1962.early-3) with Paul Jones
Alexis Korner’s Blues Incorporated (1962.3-4)
The Rolling Stones (1962.7-1969.6)