Taste

Taste 活動期間1966.8-1970.10
 ギター・ヒーローRory Gallagherがアイルランドのコークで1966年に結成したブルース・ロック・トリオ。将来を嘱望され「Creamの再来」と人気を博すが、マネージメントに恵まれず盛期の活動は短期に終わった。

 Fontana Showbandでプロ・デビューしたGallagherが、The AxelsというR&Bバンド出身のリズム・セクションEric Kittringham、Norman Dameryの2人と結成。アイルランドにとどまらず、西欧、西ドイツのハンブルグなどにも遠征。まもなく北アイルランドのベルファストやロンドンへと活動拠点を移す。

 荒削りながらも熱いステージが人気を呼び、アイリッシュ系レーベルのMajor Minorとの契約を獲得。1968年4月にデビュー・シングル「Blister Of The Moon」をリリースする。「ポストCream」を探していたRobert Stigwoodがこれに関心を示し、Polydorとの契約のチャンスが巡ってくるが、力量不足と判断されたリズム・セクションの変更が契約条件に盛り込まれる。このため、マネージャーのEddy Kennedyは、Taste同様にマネージメントしていた北アイルランド出身のグループThe CheeseCharlie McCrackenJohn Wilsonにスイッチさせ、1968年春に新布陣を整える。

 ブルース・ブームを追い風に当時のマーキーの観客動員記録を塗り替えるなど人気を集める。1969年にデビュー・アルバム「Taste」をリリース。1970年初頭にはセカンド「On The Boards」を発表、同年にはワイト島フェスにも出演し多くのメディアに絶賛される。しかし、マネージメントの問題やそれに伴うメンバー間の確執などから同年秋に解散を余儀なくされた。解散後には定評のあったライブ盤が2枚リリースされている。

 リズム・セクションの2人は元Blossom ToesのギタリストJim CreganStudを結成。Gallagherも間もなく自身のグループを率いての活動を再開した。くしくも両者ともにトリオ編成での活動再開となった。

 2000年代には故郷北アイルランドに戻って音楽活動していたWilsonがMcCrackenを誘いギター、ヴォーカルにSam Davidsonを加えたトリオ編成で活動を再開。まもなくベースがAlbert MillsやNicky Scottに代わり、Wilsonが病気でリタイアするまでの約10年間活動を継続した。


<albums>
Taste (Polydor 583 042) 1969/4
On The Boards (Polydor 583 083) 1970/1
Live Taste (Polydor 2310 082) 1971/2
Live At The Isle Of Wight (Polydor 2383 120) 1972/8

・その他
In The Beginning (BASF 20 290840-0) 1972 ※Germany 第1期の67年録音
In Concert (Ariola 25001) 1977 ※Germany/1968年マーキー

<singles>
Blister Of The Moon/Born On The Wrong Side Of Time (Major Minor MM560) 1968/4
Born On The Wrong Side Of Time/Same Old Story (Polydor 56313) 1969/3
Born On The Wrong Side Of Time/Blister Of The Moon (Major Minor MM718) 1970/7


【メンバー変遷】
#1(1966.8-1968.5)
Rory Gallagher:g/vo
Eric Kittringham:b
Norman Damery:ds

#2(1968.5-1970.10)
Rory Gallagher:g/vo
Richard “Charlie” McCracken:b
John Wilson:ds