Keef Hartley Band

Keef Hartley Band 活動期間1968.5-1972.1
 John Mayall’s Bluesbreakersを経た名ドラマーKeef Hartleyが1968年春に独立し、新たに自身のリーダー・グループとして結成したブルース/ジャズ・ロック・バンド。

 その後長らくブルース・ロック・シーンで活躍を続けるギタリスト、シンガーのMiller AndersonUriah Heepでも成功を収めるベーシストのGary Thainとの3人を軸に、キーボード奏者のPete DinesMick Weaver、ブラスのHenry Lowther、Dave CaswellChris MercerLyn Dobsonらジャズ/ブルース・ロック分野、セッション系の技巧派ミュージシャンら多数が正式、準メンバーとして活動を支えた。

 1972年までに6枚をアルバムをリリース。1971年リリースの「Little Big Band」は総勢16人のビッグ・バンド編成によるマーキーでのライブ。本作を最後にMiller Andersonが脱退し、ソロを経てHemlockを結成している。Hartleyは解散後、ソロ名義のアルバムを制作。その後もAndersonと再合流したDog SoldierやシンガーソングライターのMichael Chapmanのバックなど多彩に活動した。


<albums>
Halfbreed (Deram SML1037) 1969/3
The Battle Of North West Six (Deram SML1054) 1969/10
The Time Is Near (Deram SML1071) 1970/8
Overdog (Deram SDL2) 1971/4
Little Big Band (Deram SDL4) 1971/10
Seventy Second Brave (Deram SDL9) 1972

Not Foolish Not Wise (Mooncrest CRESTCD043) 1999
British Radio Sessions 1969-1971 (On The Air AIR6) 2013

<singles>
Leave It ‘Til Morning/Just To Cry (Deram DM250)1969/4
Waiting Around/Not Foolish,Not Wise (Deram DM273)1969/10
Roundabout/Roundabout Part 2 (Dram DM316)1970/11


【メンバー変遷】
#1 (1968.5-summer)
Keef Hartley:ds
Owen Fennegan:vo
Spit James:g (Ian Cruickshank)
Gary Thain:b/vo
Peter “Dino” Dines:key

 John Mayall’s Bluesbreakersを脱退したHartleyが自身のリーダー・グループとして結成。Dino DinesはSmall Facesの弟分として売り出されたモッズ・グループThe Apostolic Interventionの元メンバー、ニュージーランド出身のGary Thainはスイスで人気があったNew Nadirというグループのメンバーだった経歴を持っていたが、メンバーはほぼ無名ミュージシャンばかり。多くの才能が発掘されたJohn Mayallの「ブルース学校」出身Keefが意図的に選考したメンバー構成か。ファースト・アルバムのレコーディングが行われるが、Owen FenneganのヴォーカルにHartleyとレーベル側が納得せずにすぐに解雇されている。

#2 (1968.summer-11)
Keef Hartley:ds
Spit James:g
Gary Thain:b/vo
Peter Dines:key
Sam Holland:vo

 ヴォーカリストにSam Hollandを加えて再レコーディングが行われるが、これも満足できる出来とはならず再び短期でヴォーカリストの変更を余儀なくされる事態に。

#3 (1968.11-1969.3)
Keef Hartley:ds
Spit James:g
Gary Thain:b/vo
Peter Dines:key
Miller Anderson:g/vo

 新ヴォーカリストにはギターも達者なMiller Andersonが加入。Andersonはこれまで様々なフリーク・ビート系のグループで活動してきたが、バンドに見事フィット。ヴォーカルなどを一部差し替えてデビュー・アルバム「Harfbreed」を制作。参加ゲスト・準メンバーはHenry Lowther、Harry Beckett、Lyn DobsonChris Mercerの4人。

#4 (1969.3-12)
Keef Hartley:ds
Gary Thain:b/vo
Miller Anderson:vo/g
Henry Lowther:tp/vln
Jimmy Jewell:sax

 1stアルバムのリリースと前後してDinesとJamesが脱退。同アルバムにセッション参加し、ブラスアレンジも担当ていた才人Henry Lowtherと、ジャズ、R&Bシーンで売り出し中だったJimmy Jewellを正式メンバーに。このメンバーで8月にはウッドストックにも出演。
 セカンド・アルバム「The Battle Of North West Six 」を制作。本作には脱退したギタリストのSpit Jamesがゲストクレジット(在籍時テイク?)されているほか、ゲスト・キーボードに準メンバー的存在のMick Weaverが参加。このほか前作に続いてMercer、Dobson、Beckettの常連3人に加えてMike Davis、Barbara Thompson、Ray Warleigh、さらにKeefの盟友Mick Taylorがゲスト参加している。さらに1969年12月にサード・アルバム「The Time Is Near」の一部録音をスタート。

#5 (1970.3-11)
Keef Hartley:ds
Gary Thain:b/vo
Miller Anderson:vo/g
Dave Caswell:tp/flghrn
Lyle Jenkins:sax

 グループを離れたLowether、Jewellの後任に元GalliardのDave CaswellとLyle Jenkinsのブラスセクションをスカウト。4~5月にサード・アルバム「The Time Is Near」の録音を完了。ゲスト・キーボード奏者はセッション・マンのStuart Wicks。10月のレコーディングではオリジナル・メンバーのDinesをゲストに迎えており、4枚目のアルバム「Overdog」に2曲が収録された。

#6 (1970.11-1971.1)
Keef Hartley:ds
Gary Thain:b/vo
Miller Anderson:vo/g
Dave Caswell:tp/flghrn
Lyle Jenkins:sax
Mick Weaver:key

 1970年11月のレコーディングからセカンド・アルバムの録音にゲスト参加していたMick Weaverが正式メンバーとなり、次回作「Overdog」の録音を完了。録音終了後に、シングル・ヒットで編成が拡大されたAshton, Gardner & Dykeに加入したCaswellとJenkinsが離脱し、本作ではゲストクレジットとなっている。このほか、オリジナル・メンバーのPeter Dines、サックスのJohnny Almond、ドラマーのJon Hisemanがゲストで参加。

#7 (1971.1-4)
Keef Hartley:ds
Gary Thain:b/vo
Miller Anderson:vo/g
Mick Weaver:key

 ブラス隊の離脱で正式メンバー4人編成に。ライブでは1st、2ndにゲスト参加していたLyn Dobsonがゲスト参加していた。「Overdog」のリリース前後にWeaverがバンドを離れThe Grease Bandに合流。

#8 (1971.6)
Keef Hartley:ds
Gary Thain:b/vo
Miller Anderson:vo/g
Derek Austin:key
Pete York:perc
Harry Beckett:tp
Mike Rosen:tp
Mike Davis:tp
Martin Drover:tp
Terry Noonan:tp
Lyn Dobson:t-sax/fl
Chris Mercer:b&t-sax
Barbara Thompson:a-sax
Roger Wade:t-sax
Derek Wadsworth:tb
Danny Allmark:tb

 6月13、14日の2日連続でマーキー・クラブでブラス・セクションなど総勢16人による大編成でライブを行う。この時のライブ音源が1971年10月「Little Big Band」としてリリースされた。

#9 (1971.summer)
Keef Hartley:ds
Gary Thain:b/vo
Miller Anderson:g/vo
Junior Kerr:g/vo (Junior Marvin)

 後にBob Marley & The Wailersに加入することでブレイクするJunior Kerrが加入するが、すぐに中心メンバーとしてこれまでバンドを支えてきたAndersonがソロ活動を決意し離脱。この頃にはKeefもJohn Mayallのツアーに参加するなど活動が停滞気味となってきた。

#10 (1971.autunm?-1972.1)
Keef Hartley:ds
Gary Thain:b/vo
Junior Kerr:g/vo
Pete Wingfield:key/vo
Chris Mercer:sax
Nick Newell:sax/fl

 新メンバーにこれまでレコーディングに度々セッション参加していたChris Mercerやブルース・ロック・バンドJellybread出身のキーボード奏者Pete Wingfield、ブラス・ロックのSatisfactionを経たNick Newell、さらに再びMick Weaverをゲストにアルバム「Seventy Second Brave」をリリース。しかし、バンド創設以来Keefとともにリズムを刻んできたGary ThainがUriah Heepに移籍することが決まり、活動を停止する。Keefは同年夏、再びJohn Mayallと合流。翌1974年にはKerr、Weaverらの協力で「Lancashire Hustler」をソロ名義でリリースしている。

 


1975.5-8 (リハーサル・バンド)
Keef Hartley:ds
Mike Harrison:vo
Paul Butler:g/vo
Rick Hayward:g/vo
Andy Pyle:b
Mike Deacon:key

1975.late (リハーサル・バンド)
Keef Hartley:ds
Paul Butler:g/vo
Rick Hayward:g/vo
Steve York:b
Dave Wilkinson:key