Small Faces

small faces 活動期間1965.5-1969.3
 1960年代の英ロック・シーンのけん引役として大きな人気を誇ったビート・グループ。特にモッズから絶大な支持を受け、ロンドンのウエスト・エンド地区のThe Whoと並んでイースト・エンドを代表するモッズ・バンドとして活躍した。後進アーティストに与えた影響力は大きく、リスペクトを表明するパンク、ネオ・モッズ・ミュージシャンらが多数いる。

 1964年、The Pioneersというバンドで演奏していたRonnie Laneが、The Momentsで活動していたSteve Marriottと出会い意気投合、翌年新グループを結成する。ドラマーにはLaneの仲間Kenny Jones、キーボードにはMarriottとThe Momentで活動していたJimmy Winstonが選ばれる。イメージ戦略の一環でモッズ・バンドとして売り出されたThe Whoと違い、メンバーはイースト・ロンドン出身の本当のモッズで、小柄だったことからモッズ用語で「クールな奴、顔役」を表すFaceを組み合わせSmall Facesと命名された。

 結成当初からすぐに精力的なギグを展開。これがロンドンのトップ・エージェントのDon Ardenの目に止まり、Deccaとの契約を獲得。同メンバーですぐさまデビュー・シングル「Watcha Gonna Do about It?」を8月にリリース、チャートの14位にまで上がるヒットを記録する。11月にはWinstonに代わってBoz & Boz Peopleなどで活動していたIan McLaganが加入。

 1966年初頭の3枚目のシングル「Sha La La La Lee」はチャート3位を記録。5月のデビュー・アルバムは3位、さらに8月にリリースした5枚目のシングル「All Or Nothing」がチャートのトップに立ち、デビューからわずか1年足らずで一躍モッズ・ヒーローに上り詰める。その後もMarriottとLaneのソングライティング・コンビで幾多の名曲を生み出し、人気を不動のものとする。

Small Faces1 契約問題がこじれて、1967年にはImmediateに移籍。翌1968年にリリースしたアルバム「Ogden’s Nut Gone Flake」は時代を反映したサイケデリックなコンセプト作となっており、英国チャートではトップを獲得する大ヒットとなった。同年のシングル「Itchycoo Park」は米国でもヒットを記録した。

 しかし、アルバムのセールスは米国では伸び悩む。この頃から良質な音楽を作っても単にアイドル視され続ける状況にMarriottの不満がうっ積、純粋なR&Bやブルースの演奏を切望するようになる。1969年にはついに脱退を決意し、同じくアイドルでいることに嫌気がさしたThe HerdPeter FramptonSpooky ToothGreg RidleyらとHumble Pieを結成する。

 残った3人はQuiet Melonのセッションを経てJeff Beck GroupRon WoodRod Stewartを加えバンド名をFacesに改めて新たな活動に入った。米国でも人気を博し、両グループともに大きな成功を収めている。

 1976年には、1967年のヒット曲「Itchycoo Park」がリバイバル・ヒット。これを追い風にRonnie Laneを除く(1週間で離脱したとも)Marriott、Jones、McLaganaの3人が元Frampton’s CamelのベーシストRick Willsを加えて再編。Atlanticと契約してアルバム2枚を残したが、2年間ほどの活動で再び解散した。

<albums>
Small Faces (Decca LK4790) 1966/5
From The Beginning (Decca LK4879) 1967/6
Small Faces (Immediate IMLP008) 1967/6
Ogden’s Nut Gone Flake (Immediate IMLP012) 1968/5
In Memoriam (Immediate IMSP022) 1969

Playmates (Atlantic K50375) 1977/8
78 In The Shade (Atlantic K50468) 1978/9

・主な編集盤など
There Are But Four Small Faces (Immediate Z12 52 002) 1967 ※US
The Autumn Stone (Immediate IMAL 01 IMAL 02) 1969
The Immediate Years (Immediate CDIMMBOX1) 1995
The BBC Sessions (Strange Fruit SFRSCD087) 1999

<singles>
Watcha Gonna Do about It?/What’s A’ Matter Baby? (Decca F12208) 1965/8
I Got Mine/It’s Too Late (Decca F12276) 1965/11
Sha La La La Lee/Grow Your Own (Decca F12317) 1966/1
Hey Girl/Almost Grown (Decca F12393) 1966/5
All Or Nothing/Understanding (Decca F12470) 1966/8
My Mind’s Eye/I Can’t Dance With You (Decca F12500) 1966/11
I Can’t Make It/Just Passing (Decca F12565) 1967/3
E to D/Patterns (Decca F12619) 1967/5
Here Comes The Nice/Talk To You (Immediate IM050) 1967/6
Itchycoo Park/I’m Only Dreaming (Immediate IM057) 1967/8
Tin Soldier/I Feel Much Better (Immediate IM062) 1967/12
Lazy Sunday/Rolling Over (Immediate IM064) 1968/4
The Universal/Donkey Rides (Immediate IM069) 1968/6
Afterglow/Wham Bam, Thank You Mam (Immediate IM077) 1969/3

 

【メンバー変遷】
#1(1965.5-11)
Steve Marriott:g/vo
Ronnie Lane:b/vo
Jimmy Winston:key
Kenny Jones:ds

#2(1965.11-1969.3)
Steve Marriott:g/vo
Ronnie Lane:b/vo
Ian McLagan:key
Kenny Jones:ds

#3(1976.6-1978.5)再結成
Steve Marriott:g/vo
Ian McLagan:key/vo
Kenny Jones:ds
Rick Wills:b/vo
※Jimmy McCulloch:g (1977年9月のツアーサポート、再編セカンドでゲスト参加