The Primitives

The Primitives 活動期間1964-1970
 イタリアで人気を誇ったガレージ・ビート・バンド。リード・ヴォーカルのMal Ryderはその後ソロや俳優として活躍を続け、同国の外国人タレントの草分け的存在となった。
 
 ビート・ブームを背景にオックスフォードで結成されたThe Cornflakesが母体。地元のビート・バンド・コンテストで優勝しPyeと契約。同年シングル「Help Me」でメジャー・デビューを果たす。この時にThe Primitivesに改名した。

 翌年初頭にはJimmy Pageが参加していることでも知られるセカンド・シングル「You Said」をリリース。しかし、両作品ともにリアクションなく不発に終わる。失敗に終わった初期シングル2枚はフリーク・ビートの名作として後年、愛好家の支持を集めることになる。

 シングル・セールスの悪化により早くもバンドの再編成が行われる。Roger Jamesが自身のバンドRoger James Four結成で離脱、新たなフロントマンとしてThe MeteorsやThe Spiritsを率いて活動していたシンガーMal RyderことPaul Bradley Coulingが招へいされることに。

 ドラマーにはRyderのバンド仲間だったMick Charletonが呼ばれ、リード・シンガーだったJay Robertsがベースおよびオルガンにスイッチ。ギターのJohn E. Soulも残ったがすぐに離脱し、ノーサンプトンの元Dave Stone & The Saintsに在籍していたギターのStuart Linnellが加入。短期間でほぼ別グループへと変貌し、1965年夏にサード・シングルをリリースする。

 1966年にはギターが元Johnny Mike & The ShadesのDave Sumnerに、さらにドラマーがレスター出身の新人David Withersにチェンジ。この頃に休暇でイギリスを訪問していたローマのクラブ・オーナーの目に止まり、イタリアでの活動を勧められる。本国での活動に見切りを付け、春にはフランス、イタリアへと活動拠点を移す。同年にはフランス・オンリーのEPをリリース。ローマでは当時最先端のクラブだったPiperを拠点にライブを行い、一躍人気グループとなった。

 1967年のシングル「L’incidente」以降は、シンガーのMal Ryderのソロ名義Mal dei PrimitivesでRCAからリリースされることに。1969年からはMalのバックを務める一方でバンド単独でも活動。メンバーチェンジを繰り返しつつ1970年代前半まで活動した。

 多くの名アーティストが在籍していたことでも知られ、プログレッシヴ・バンドSpringを結成するギターのRay MartinezとドラマーのWithers、Brian Auger’s Oblivion ExpressやThe Average White Bandで活動するドラマーのRobbie McIntosh、Dave SumnerとSopworth Camelで活動し、後にEast Of Edenに加わるベース/キーボードのMartin Fisher、ソロとしてもシングルをリリースしているシンガーRoger Peacockらが活動を支えた。


<album>
Blow-Up (Arc SA22) 1967 ※Italy

・その他
Concerto Per Patty/Patty Pravo (Arc ALPS11013) 1969 ※Italy/1曲
Terzo Canale, Avventura A Montecarlo-soundtrack (RCA PM3569) 1970/12 ※Italy/1曲

<EP>
Oh Mary (Vogue INT18093) 1966 ※France

<singles>
Help Me/Let Them Tell (Pye 7N15721) 1964/11
You Said/How Do You Feel (Pye 7N15755) 1965/1
Every Minute Of Every Day/Pretty Little Face (Pye 7N15915) 1965/8
Yeeeeeeh!/L’Ombra Di Nessuno (Arc AN4108) 1967 ※Italy
L’incidente/Johnny No (Arc AN4136) 1967 ※Italy


【メンバー変遷】
#1(1964-1965)
Jay Roberts:vo
Geoff Eaton:g
John E. Soul:g/harp
Roger James:b
Mike Wilding:ds

#2 (1965)
Jay Roberts:vo
John E. Soul:g/harp
Mal Ryder:vo
Mick Charleton:ds

#3 (1965-1966)
Jay Roberts:b/key/vo
Mal Ryder:vo
Stuart Linnell:g
Mick Charleton:ds

#4 (1966-1967)
Jay Roberts:b/key/vo
Mal Ryder:vo
Dave Sumner:g/vo
Pick Withers:ds

#5 (1967-1968)
Jay Roberts:b/key/vo
Mal Ryder:vo
Pick Withers:ds
Ray Martinez:g

#6 (1968-1969.mid)
Jay Roberts:b/vo
Mal Ryder:vo
Pick Withers:ds
Ray Martinez:g
Michael Brandon Fraser:key

#7 (1969)
Jay Roberts:b/vo
Ray Martinez:g
Mike Fraser:key
Robbie McIntosh:ds

#8 (1969)
Jay Roberts:b/vo
Mike Fraser:key
Robbie McIntosh:ds
Dave Sumner:g/vo 復帰

#9 (1969)
Jay Roberts:b/vo
Mike Fraser:key
Robbie McIntosh:ds
Dave Sumner:g/vo
Roger Peacock:vo 元The Cheynes、Dave Antony’s Moodsのシンガー

#10 (1970)
Jay Roberts:b/vo
Roger Peacock:vo
Keith Burberry:key ex-The Warren Davis Monday Band
Carl Daykin:ds

#11 (1970) 再編成
Roger Peacock:vo
Dave Sumner:g
Robbie McIntosh:ds
Mike Fraser:key

#12
Dave Sumner:g
Martin Fisher:b
Mike Fraser:key
Mick Charleton:ds 復帰

#13
Martin Fisher:b
Mike Fraser:key
Mick Charleton:ds
Laurie Jeffs:g