Tony Hill

Tony Hill guitars/vocals
 ヘヴィ・サイケデリック・グループの代表格High Tideの中心人物。ファズの利いた個性的なギター・サウンドにはコアなファンが多数いる。
 
 1960年代半ばはイングランド北東サウスシールズ出身のビート・グループThe Answersのメンバーとして活動。1966年にCollumbiaからリリースされた2枚のシングルは、両作A、B面ともにHillの手によるオリジナル曲で、早くも印象的なギター・ソロを聞かせており、すでに才能の片鱗を見せ始めている。

 同年、米国カリフォルニアでサーフィン・バンドとして誕生し、その後に渡英してサイケデリック・バンドとして活動していたGlenn Campbell率いるThe Misunderstoodに加入。同年末にフリーク・ビートの名シングル「I Can Take You To The Sun」(HillとシンガーRick Brownの共作)をリリースするが、1967年末に米国出身のBrownが徴兵されて解散を余儀なくされている。

 1968年にはメンバー募集広告を介してDavid BowieとBowieのガールフレンドだったHermione Farthingaleとによるアコースティック・トリオTorquoiseの結成に参加。数回のギグに参加するものの短期間で離脱した。

 同年末には後にHawkwindで活躍するSimou HouseやベースのPeter Pavli、ドラマーRoger Haddenらと自身のリーダー・グループとなるヘヴィ・サイケデリック・バンドHigh Tideを結成。Hillの個性的なファズ・ギターが全面に渡って炸裂する佳作アルバム2枚をLibertyに残した。

 71年の解散後は目立った活動があまり聞かれなくなったが、80年代後半になってPavliや後期ドラマーだったDrachen TheakerとHigh Tideを再編。未発表音源のリリースに続いて、新録音アルバムを発表して健在ぶりをみせた。90年にはソロ作をリリース。その後Pavli、元HawkwindのAdrian ShawとともにFictionを組んでギグを行った。


【参加アルバム】
<group>
・High Tide
Sea Shanties (Liberty LBS83264) 1969/10
High Tide (Liberty LBS83294) 1970/8

Interesting Times (Lobster CD001) 1987 ※Italy/未発表音源集
Precious Cargo (Cobra CD003) 1989 ※Italy/70年スタジオライブ
The Flood (World Wide SPM-WWR-CD0005) 1990 ※70、71、76、79年の未発表音源
Ancient Gates (World Wide SPM-WWR-CD007) 1990
A Fierce Nature High Tide (World Wide SPM-WWR-CD0012) 1990 ※新録音
The Reason Of Success (World Wide SPM-WWR-CD0024) 1990 ※新録音

Replicas/Rustic Hinge (Reckless RECK3) 1988 ※70年の未発表音源。High Tide名義で1曲収録

<solo>
Playing for time (World Wide SPM-WWWR-CD0016) 1990 ※Germany
Inexactness (Woronzow WOO46) 2001

<session>
Sinister Morning/Denny Gerrard (Deram Nova SDN10) 1970
Smoking Mirror/Ronnie Paisley’s Band (Pye NSPL18592) 1979


【参加グループ】
The Answers (1965?-1966)
The Misunderstood (1966-1967.late)
Torquoise (1968.autumn)
High Tide (1968.late-1971/1980s.late- )
Tony Hill’s Fiction (2000s) with Pete Pavli