Dave Arbus

Dave Arbus violin/flute/sax
 1941年10月8日生まれ。レスター出身。オリエンタル・ジャズ・ロック・バンドEast Of Edenの中心人物。

 10歳でヴァイオリンの演奏を開始。ブリストル大学では哲学を専攻。卒業後はサウジアラビアやユーゴスラビアなど海外で英語教師をしていた異色の経歴を持つ。帰国後にサックス奏者Ron Cainesと出会い、ジャズ・バンドなどで活動。1967年、ソウル・バンドにいたGeoff Nicholsonを加えてThe Picture Of Dorian Greyを結成。この頃にパリで見たJean Luc-Pontyの演奏に大きな影響を受け、電子ヴァイオリンの演奏を開始する。

 グループは1968年、Atlanticからデビュー・シングルをリリース。この時にバンド名をEast Of Edenに改名する。本シングルのセールスは振るわなかったが、オリエンタルなムードを持った独特のジャズ・ロックが評価され、Deramからアルバム「Mercator Projected」で再デビューする。翌年にはセカンド・アルバム「Snafu」がアルバム・チャートの29位にまで上昇するヒットとなった。

 1970年5月にはトラッド・チューン「Jig A Jig」をシングル・リリース。本作は翌年春になってチャートの7位を記録するヒットとなるが、皮肉にも本作のシングル化によってジャズ志向の強かったNicholson、Cainesらがバンドを去るなどメンバー間の均衡を崩す結果となった。1971年にはHarvestからアルバム2枚をリリースするも成功を収められず、唯一のオリジナル・メンバーながら1973年にはバンドを離脱している。

 脱退後は再び英語教師としてサウジアラビアに赴任するなどしてプロとしての音楽活動から離れていたが、帰国後の1975年にはトラッド・グループFiddler’s Dramを結成。同グループは後にFairport Convention周辺での活動が知られるCathy Lesurfらを中心に活動を継続するが、Arbusはアルバム・リリース前に離脱している。1975~76年にはCaravanのRichard SinclairとともにCoxhill Sinclair BandやSinclair & The South(ケント大学で一度きりのギグ)でも演奏した。住居をカンタベリーに移し、Caravanのギグにゲストで参加することもあるなど幅の広い活動を行うが、まもなく音楽から離れている。

 セッション歴としては1971年、The Whoの傑作アルバム「Who’s Next」に収録された名曲「Baba O’Riley」への参加が有名。Arbus演奏のヴァイオリン部分はドラマーKeith Moonがプロデュースを担当している。1973年には同グループのリード・ヴォーカリストRoger Daltreyのソロ・アルバム「Daltrey」にも参加した。

 音楽を離れた後は家具やガーデニングのデザイナー、画家などをやっていたが、1990年代になって再び音楽活動を再開。1997年にはオリジナル・メンバーの3人でEast Of Edenを再結成し、アルバム制作などを行った。


【参加アルバム】
<gourp>
・East Of Eden
Mercator Projected (Deram SML1038) 1969/2
Snafu (Deram SML1050) 1970/2
East Of Eden (Harvest SHVL792) 1971/6
New Leaf (Harvest SHVL796) 1971/11

Kalipse (HTD HTDCD80) 1997
Armadillo (HTD HTDCD109) 2000
Graffito (Eclectic Discs ECLCD1020) 2005/3

<session>
Who’s Next/The Who (Track 2408 102) 1971/7
Daltrey/Roger Daltrey (Track 2406 207) 1973/3
Morningside/Danny McBride (Epic EPC80059) 1973
Right Hand Band/Keith Person’s Right Hand Band (Eron ERON014) 1976
Explorateur/O.T.H. (Art Traffic ART15) 1990


【参加グループ】
The Picture Of Dorian Grey (1967.10-1968.7)
East Of Eden (1968.7-1973.3/1997- )
Shoestring Band (1973)  
Fiddler’s Dram (1976?-1977)
Coxhill/Sinclair Band (1975.11-1976.1)
Richard Sinclair & The South (1976.1)