Help Yourself

Help Yourself 活動期間1970.2-1973.8
 Brinsley Schwarzと並び英国パブ・ロック・グループの草分け的存在。活動当時は商業的な成功を得られなかったが、米国フレーヴァー溢れる音楽性が後年になって高く評価されるようになった。

 1969年、ブルース・ロック・バンドSam Apple Pieを脱退したMalcolm MorleyがFamepushersプロダクションとソロ契約を締結。その後行われたセッションにはプロデューサーDave Robinsonが同じく手掛けていたSam Apple PieのメンバーやEire Apparentのメンバーが加わり、当初はMalcolmのソロ活動を見据えたものだったが、まもなくバンド形態へとシフトされることに。

 オリジナル・メンバーはMorleyと同じSam Apple Pie出身のドラマーで幼なじみのDave Charles、オーディションを通してMonday Morning Glory Bandで活動していたギタリストのRichard Treece、さらにクルーだったPaul Burtonの紹介で加わったベースのKen Whaleyの4人。

 71年春にセルフ・タイトルのデビュー・アルバムをLibertyからリリース。それと前後してWhaleyがグループを離れたため、グループ結成の発端となったセッションにも参加していた元Eire ApparentのErnie Grahamと彼の友人でギタリストのJonathan “Jo Jo” Glemserが加入し、Treeceがベースに回る。Grahamが同年発表したソロ・アルバム(Help Yourselfのデビュー作と同時期リリース)にはオリジナル・メンバー全員が揃って参加している。

 セカンド・アルバム「Strange Affair」を製作するが、途中でGrahamとGlemserが自身の新グループClancy始動のために離脱。グループのローディーだったPaul Bartonを加えてアルバムを完成させている。

 活動中はBrinsley SchwarzやManらとジョイント・ツアーを行い交流を深め、72年にはManを脱退したDeke Leonardが客演。同年のクリスマスにはLeonardとペダル・スティール・ギタリストのB.J. Coleをゲストに迎えたギグの模様が2枚組10インチのオムニバス・ライブ盤「Christmas At The Patti」としてリリースされている。

helpyourself 同年末にはサード・アルバム「Beware Of The Shadow」を発表するが、まもなくBurtonが離脱。代わって同グループのローディー出身の仲間Sean TylaとDucks Deluxeを組んで活動していたWhaleyが復帰、再びオリジナル・メンバーの4人に戻り、73年に入って「The Return Of Ken Whaley 」を制作した。

 同アルバムの初回5000枚には、元ManのMartin AceのグループThe Flying Acesと一緒に回ったボードヴィルショー風ツアー「Happy Days」(後に単独でもリリースされた。実際はHelp Yourself名義ではなく、あくまで「Happy Days」という作品)が付録特典として付けられていた。その後、次作に向けたレコーディングが行われるが、同年夏に解散を迎えている。

 MorleyはBees Make Honeyを経てWhaleyとともにManに参加。TreeceはMan人脈のThe Splendid HumansThe Neutronsなどで活動。Charlesはプロデューサー、エンジニア、セッション・ドラマーとして成功を収めた。また、70年代はメンバー4人ともにLeonardのソロ・バンドIcebergでも活動している。

 TreeceとWhaleyは80年代後半に再会しThe Green Rayで活動。2002~03年にはMorley、Treece、Whaleyの3人のオリジナル・メンバーが揃い再結成を果たし、73年の解散間際に録音した未発表曲に新録音を加えたアルバム「5」をリリースした。

<albums>
Help Yourself (Liberty LBS83484) 1971/4
Strange Affair (United Artists UAS29287) 1972/1
Beware Of The Shadow (United Artists UAS29413) 1972/12
The Return Of Ken Whaley (United artists UAS29487) 1973/6
Happy Days (United Artists FREE1) 1973/6 
 ※「The Return Of Ken Whaley」との2枚組(限定5000枚)としてリリース
5(Hux HUX054) 2004 ※73年の未発表音源と02/03年の新録音

Christmas At The Patti/V.A. (United Artists UDX205/6) 1973 
 ※10インチ2枚組72年12月のオムニバス・ライブ

<singles>
Running Down Deep/Paper Leaves (Liberty LBF15459) 1971/4
Heaven Row/Brown Lady (United Artists UP35355) 1972/3
Mommy Won’t Be Home For Christmas (United Artists UP35466) 1972/12


【メンバー変遷】
#1 (1970.2-1971.4)
Malcolm Morley:g/key/vo (ex-Sam Apple Pie)
Richard Treece:g/vo (ex-Monday Morning Glory Band)
Ken Whaley:b/vo (ex-Growth) →Ducks Deluxe
Dave Charles:ds (ex-Sam Apple Pie)

#2 (1971.4-late?)
Malcolm Morley:g/key/vo/b
Richard Treece:g/vo/b
Dave Charles:ds
Ernie Graham:vo/g (ex-Eire Apparent)  →Clancy
Jonathan “Jojo” Glemser:g

#3 (1972)
Malcolm Morley:g/key/vo
Richard Treece:g/vo
Dave Charles:ds
Paul Burton:b/g/vo

#4 (1972.late-1973.1)
Malcolm Morley:g/key/vo
Richard Treece:g/vo
Dave Charles:ds
Paul Burton:b/g/vo → Deke Leonard’s Iceberg
※Sean Tyla:g/vo (Ducks Deluxe)
Deke Leonard:g/vo (Deke Leonard’s Iceberg)
※B.J. Cole:psg

#5 (1973.1-8)
Malcolm Morley:g/key/vo →Bees Make Honey、Deke Leonard’s IcebergMan
Richard Treece:g/vo →Deke Leonard’s Iceberg
Dave Charles:ds →The Neutrons、producer/engineer
Ken Whaley:b/vo →Deke Leonard’s IcebergMan

#6 (2002-2003)
Malcolm Morley:g/key/vo
Richard Treece:g/vo
Ken Whaley:b/vo
Kevin Spacey:ds